航空機事故の調査に使われるフライトデータレコーダー(いわゆる「ブラックボックス」)を発明したオーストラリアの科学者デビッド・ウォーレン博士が7月19日、85歳で死去した。
同氏はオーストラリア国防科学技術機構の航空研究所に勤務し、1956年に初のフライトデータレコーダーの試作機を設計した。この装置は後にブラックボックスと呼ばれるようになった。ブラックボックスの価値や実用性が現実のものとなったのはその5年後で、オーストラリアで航空機への搭載が義務づけられるようになったのはさらに5年後のことだった。
同氏は9歳のときに父親を航空機事故で亡くしている。父親から最後にもらったプレゼントは鉱石ラジオセットで、それが電子工学に関心を持つきっかけになったという。
現在フライトデータレコーダーは世界中の旅客機に採用されており、「ウォーレン博士のフライトデータレコーダーは世界の航空安全に計り知れない貢献をした」とオーストラリア国防省は述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR