米Googleは5月28日(現地時間)、カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターで8回目になる年次開発者会議「Google I/O 2015」を開催した。日本時間の29日午前1時半から約2時間半にわたった基調講演の概要を時系列に紹介する。
なお、うわさされていた新Nexus端末やChromecastなどは登場しなかった。
基調講演の司会進行は昨年につづいてAndroid/Chrome/Apps担当上級副社長、スンダー・ピチャイ氏。
次期Androidのプレビュー版は「M Developer preview」として紹介された。第3四半期(7〜9月)にリリースの予定だ。
アプリごとのパーミッション、アプリ内ブラウザのような「Chrome Custom Tabs」などの新機能の一部が紹介された。
プレビュー版は同日、Nexus 5、6、9、Player向けに公開された。(Nexus 7は非対応ということか。)
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Android Mの新機能の1つとして、モバイル決済機能「Android Pay」も発表された。「シンプルで、セキュアで、選択できる」という。選択というのは、カード会社として米国の4大カード(MasterCard、Visa、American Express、Discover)のカードを使え、3大通信キャリア(AT&T、Verizon、T-Mobile)の端末にプリインストールされ、米国内の70万の店舗で利用できるということを示す。
Android Payは、アプリ内決済にも利用できる。明確な説明はなかったが、「Google Wallet」に代わる同社のモバイル決済システムという位置付けのようだ。
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Android Mでは、端末のロック解除やAndroid Payでも利用できる指紋認証機能が搭載される。APIが提供され、サードパーティー製アプリでも利用できる。デモでは、Targetのアプリでのモバイル決済に指紋認証を使う例が紹介された。
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バッテリー持続時間を伸ばす新しい技術「Doze」が第3四半期に使えるようになる。Nexus 9でのテストではバッテリー持続時間が2倍以上になったという。
Android Wearは(Apple Watchと異なり)時計を常時表示するが、今後のアップデートで、選択したアプリも表示したままにできる。例えばGoogleマップのナビや、買い物中のメモなどを、モノクロの低消費電力モードで表示しておける。
この他、腕を振ってスクロールする方法や手書きでの絵文字変換などが可能になる。
現在、Android Wearアプリ数は4000本以上という。
なお、うわさされたiPhoneとの連係は、少なくとも今回のI/Oでは発表されなかった。
うわさのIoT(モノのインターネット)向けAndroid「Brillo」は第3四半期スタート。ピチャイ氏は、BrilloはAndroidを低性能な端末向けに“洗練させた”ものと説明した。
IoT、スマートフォン、クラウドの相互コミュニケーションには「Weave」と名付けた共通プロトコルを使う。
Android端末はBrillo端末を自動認識し、操作(例えば照明のオン/オフなど)できるようになる。
Brilloのプレビューは第3四半期、Weaveは第4四半期に提供開始の予定。
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機械学習の成果を反映させたGoogle Nowの新機能が披露された。ピチャイ氏は、「ユーザーが自分に必要だと気付きさえしない必要な情報を、必要になる前に提示できる」と語った。例として、チャットしていて「この前あなたにメールした場所のこと覚えてる?」と入力すると、“メールした場所”に関する情報カードが表示されるというデモが紹介された。
これは「Now on Tap」と名付けられた新機能だ。何かを表示した状態でAndroid端末のホームボタンを長押し(または「Ok Google」で口頭で質問)すると、表示しているコンテンツに関連する情報カードが表示される。
デモでは、SpotifyでSkrillexの曲をストリーミングしながら「Ok Google、彼の本名は?」と尋ねるとSkrillexの本名であるソニー・ジョン・ムーアのカードが表示された。映画に誘うメールを開いた状態でホームボタンを押すと上映中の映画のカードが表示され、デリバリーアプリでよくわからないエスニック料理のメニューを表示したまま「OK Google、この料理の写真を見せて」と尋ねると料理の写真が表示された。
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うわさ通り、Google+の「写真」が独立した「Google Photos」になった。同日からWeb、Android、iOS版が利用できる。
高精細(1600万画素の写真、1080pの動画)のコンテンツを、圧縮はするものの、無制限にクラウドに保存できる。
画像認識技術を使ったタグなしでのグループ機能や高度な検索、Appleの写真のようなピンチしていくと月単位、年単位で写真を表示する機能などのほか、基本的な編集ツールも揃っている。
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ネット環境の整っていない地域でも快適に使えるように最適化されたChromeブラウザ、オフラインで視聴できるYouTube、オフライン機能が強化されたGoogleマップが紹介された。
Android Studio Version 1.3プレビューの紹介。C++をサポートする。Webアプリツールキット「Polymer」、アプリテスト環境「Cloud Test Lab」、Google Play上の「Developer Pages」などが紹介された。
子どもに安全なアプリには「The Family Star」が付くようになる他、様々なフィルタリング機能が使えるようになる。
昨年のGoogle I/Oの最後に紹介されたダンボール製VRヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard」の進捗も紹介された。
まず、6インチ端末に対応し、組み立てがさらに簡単になった。
SDKがiOSもサポートした。
教育者向けの「Expedisions」というプログラムも発表された。これは、教師のタブレットと生徒用のCardboard(にセットした端末)を同期させ、例えば宇宙や遠い国や海中を体験させるというもの。コンテンツはパートナー企業から順次提供される。
さらに、VRコンテンツを作成するためのシステム「JUMP」も発表された。
米GoProが360度撮影可能なJUMP対応のカメラを開発する。
このカメラで撮影した動画をアセンブラで調整し、YouTubeをプレーヤーとして使うのがJUMPシステムだ。
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JUMPの紹介の後、再びピチャイ氏が登壇し、自動運転カーやProject Loonの進捗について短く説明して基調講演を締めくくった。
変更履歴:「Android Pay」とすべきところが「Apple Pay」になっていました。お詫びして訂正いたします。[2015/5/29 10:10]
変更履歴:Project Loonのスペルが間違っていました。お詫びして訂正いたします。[2015/5/31 6:10]
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