iOS版GarageBandがバージョン2.1にアップデート。iPad Pro登場のAppleサイトに掲載されていたスクリーンショットで予想した鍵盤サイズ以外でも大幅な機能強化が実施された。
Mac版のGarageBandやLogic Pro Xに既に搭載されている「バーチャルDrummer」。これは、トラックをアサインするだけで、EDM、ダブステップなどジャンル専用ドラマー(9人)がそれ風に叩いてくれるという優秀なもので、このジャンルが得意なセッションドラマーを雇っているように、指定するだけで曲すべてのドラミングをまかせられる。たとえば、「Darcy」というシンプルで上品なサポートドラマーに「Hotel Cafe」という叩き方を指定すると、イーグルスのドン・ヘンリーのようなグルーブをもったドラミングを入れてくれる。これに合わせてドラムセットの種類も倍増している。
Audio Units対応。Mac版のLogicやGarageBandには、Audio Unitsという、エフェクトや楽器を拡張するためのプラグインの仕組みがあるが、iOS版にはなかった。それが今回は取り入れられている。サードパーティー製のプラグインを購入すれば、標準で搭載されていない各種シンセサイザーやサンプラーなども利用可能になる。
キーボードには、待望のオーケストラ系音色が追加された。これまではHollywood Stringsというストリングスシンセしかなかったが、弦楽器が3音色、木管、金管、ギター、ベースまでを、鍵盤を使って演奏可能になる。これまでこれらの音色は、スマートストリングス、スマートギターのインタフェースでしか使えなかった。
鍵盤を押したあとでさらに押し込むことでビブラートなどの表現をつけることができるアフタータッチ機能(ポリフォニック)が、iPhone 6sおよび6s Plusの3D Touchを使うことで利用可能となった。
以前から要望が多かった、音量のオートメーションにも対応した。これまでは、録音されたトラックの音量は一括して変更することしかできなかったが、時間経過に合わせて音量を絞ったり上げたりが可能になる。トラック毎のエフェクトも、リバーブ、エコーに加えて、トレブルとベースの音色変化、コンプレッサによるダイナミクス調整が利用できる。
Live Loopsという新機能では、DJスタイルでループを自由に再生したりエフェクトをかけたりできる。XYパッドなどを使ってカットオフフリーケンシー、レゾナンス、スクラッチ、逆回転、ビットクラッシャー、スタッターといったエフェクトをトラック全体に適用し、プレイ可能。
iCloud Driveに対応。これまではMacで作成したオーディオファイルをiOS版GarageBandに読み込むためにはiTunesアプリを経由する必要があったが、今回からクラウドベースで双方向のやり取りが可能になった。同時に発表されたMusic MemosのオーディオスケッチをiCloudから取り込み、さらに作りこむこともできる。
また、最大32トラックまでの当時録音が可能(その機能を持つオーディオインタフェースが必要)。
GarageBand 2.1は1200以上のApple Loopsが利用できるが、アプリケーションのサイズは1.36GBと非常に大きくなっている。iPhone、iPadのユーザーは無料。
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