ITmedia NEWS > 社会とIT >
ニュース
» 2019年03月01日 06時00分 公開

公取委、Amazonなど大手ネット通販調査 「ポイント還元」原資に注目

公正取引委員会がインターネット通販大手の取引実態調査に乗り出すのは、通販サイトへの出品者が不利な取引を強いられている懸念があるからだ。商品購入の際のポイント還元の原資を出品者に負担させる方式は、アマゾンジャパンだけでなく、楽天やヤフーなど国内ネット通販大手にも共通する。ポイントは顧客を囲い込む上で重要なツールだけに、公取委が下す判断がネット通販の今後の戦略に及ぼす影響は大きい。

[SankeiBiz]
SankeiBiz

 公正取引委員会がインターネット通販大手の取引実態調査に乗り出すのは、通販サイトへの出品者が不利な取引を強いられている懸念があるからだ。商品購入の際のポイント還元の原資を出品者に負担させる方式は、アマゾンジャパンだけでなく、楽天やヤフーなど国内ネット通販大手にも共通する。ポイントは顧客を囲い込む上で重要なツールだけに、公取委が下す判断がネット通販の今後の戦略に及ぼす影響は大きい。

photo 公正取引委員会の外観=東京都千代田区霞が関

 「調査にはできる限り協力する」。楽天とヤフーは公取委調査にコメントした。5月に1%以上のポイント還元を始めるアマゾンへの疑念が飛び火した格好だが、「公平性の高い通販サイト運営を行っている」との自負心は強い。

 楽天は「楽天市場」を運営し、購入者には1%分のポイントを付与する。ネット通販だけでなく、旅行予約サイト「楽天トラベル」など楽天経済圏の多様なサービスで活用できるなど利便性は高い。原資は出品者が負担するが、「しっかり説明し、理解していただいた上で出店してもらっている」(広報)という。

 一方、「ヤフーショッピング」を運営するヤフーでも購入者に1%のポイントが付く。2016年からは出品者から販売額の2.5%分を徴収し、定期的に還元キャンペーンを行う際の原資に使っている。「制度変更の際には事前に説明を尽くした。出品料や売上歩合もなく自由度は高い」(広報)と強調する。

 ネット通販大手の競争が激化する中、商品購入の際にポイントを付けてお得感を出すことで顧客を囲い込む戦略は重みを増す。矢野経済研究所によると、ポイントサービスの国内市場規模は17年度に前年比5%増の約1兆8000億円だったが、20年度には2兆円を超える見通しだ。

 もっとも、アマゾンも含めて出品者に不利な取引条件や費用負担を強いていないかには不透明感があり、出品者の中小企業などからは不満の声も出ているようだ。公正な取引とビジネスの成長を両立するための仕組みづくりが今後の焦点になりそうだ。(万福博之)

Copyright (c) SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.