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» 2019年04月15日 06時35分 公開

平成の科学:「AIは魔法の箱ではない」 杉山将・理化学研究所センター長 (1/3)

ITの革新によって人々の生活に大きな変化がもたらされた平成の時代。とりわけ昨今、ブームに沸く人工知能(AI)は社会を根底から変える可能性があり、期待と恐れが相半ばする存在だ。理化学研究所革新知能統合研究センターの杉山将センター長(知能情報学)に聞いた。

[産経新聞]
産経新聞

 情報技術(IT)の革新によって人々の生活に大きな変化がもたらされた平成の時代。とりわけ昨今、ブームに沸く人工知能(AI)は社会を根底から変える可能性があり、期待と恐れが相半ばする存在だ。理化学研究所革新知能統合研究センターの杉山将センター長(知能情報学)に聞いた。(松田麻希)

行きすぎたブーム

 −−AIは1960年代の第1次、80年代の第2次ブームを経て、現在は第3次ブームに沸いている

 「私が研究を始めたのは90年代後半ですが、AIの研究をしているとも思っていませんでした。データからコンピューターに何かを学習させる『機械学習』という分野で約20年、地味にアルゴリズム(計算方法)の研究に取り組んできて、気が付いたら周りが盛り上がっていた。このようなブームになるとは思ってもみませんでした」

photo 人工知能を搭載したソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」
photo 杉山将氏

 −−ブームが過剰になっている

 「行きすぎているのではないかと感じるのは事実です。われわれが長年積み上げてきた技術がある一定のラインを超えたのでしょう。マーケティングに使える、利益を生むことができると嗅ぎ付ける人が出てきて、米国に遅れて日本でも盛り上がっていますね。研究者としては変わらず基礎研究を続けているので、周りが変わっただけです」

 −−どのような研究をしてきたか

 「データが少なくても、うまく学習させるというのが研究テーマで、修士論文の頃からほぼ変わりません。ビッグデータもブームになっていますが、基礎の情報科学の研究者からすれば、たくさんデータがあれば学習できるのは明らかなことなので、機械学習の研究としてはあまり面白くない。限られたデータからどうやって効率的に学習させるか研究してきました」

 −−何ができるようになるのか

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