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» 2019年04月22日 07時07分 公開

平成の科学:「確実な地震予知は将来もできない」山岡耕春・日本地震学会会長 (4/4)

[産経新聞]
産経新聞
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 「研究は、とにかくいろいろやってみるべきでしょう。ただ予知に関しては、情報を出したら何パーセント当たるかという的中率と、地震の何パーセントが事前に情報が出ていたかという予知率の2つの観点で、確率的に評価する必要があります。地震予知は役立ってなんぼの世界なので、確率的な評価をきちんとして、どれだけ役立つものなのかを示さなければいけません」

 −−予知はできるようになるのですか

 「確実な予知は将来もできないんじゃないかと思っています。何年何月何日にマグニチュード(M)いくつの地震がどこで起きるなんていうのは絶対に無理。でも、たとえば1週間以内にM8の地震が起きる確率が50%以上と言うことができれば、だいぶ確実性が高く、警戒宣言の基にできると思います。

 最近分かってきたスロースリップなど、まだ十分に使い切れていない観測情報もあります。地下水や地磁気の動きの研究も、何か役に立つかもしれない。これらを組み合わせて予測するという考え方もある。

 そういった研究が進めば確率を上げられる可能性はあります。ただ、一つの学問が進むには数十年単位の長い時間が必要です。先のことは分かりませんが、それが令和時代に実現すればいいと思っています」

 <やまおか・こうしゅん>昭和33年、静岡県生まれ。名古屋大大学院理学研究科博士課程修了。東京大地震研究所教授を経て平成19年から名古屋大教授。28年から日本地震学会会長。南海トラフで地震が発生する可能性を評価する気象庁の評価検討会委員。専門は地震学・火山学。

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