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» 2019年05月16日 06時10分 公開

平成の科学:日本の科学技術、再生なるか 論文数は“一人負け” (1/2)

日本の科学は平成の時代に大きく飛躍し、基礎科学と産業技術の両面で発展を遂げた。だが近年は研究開発の勢いが失われ、国際的な競争力は低下。東日本大震災では「想定外」の前に立ち尽くした。再生への処方箋はいまだ見えず、令和時代の大きな課題だ。(小野晋史)

[産経新聞]
産経新聞

 日本の科学は平成の時代に大きく飛躍し、基礎科学と産業技術の両面で発展を遂げた。だが近年は研究開発の勢いが失われ、国際的な競争力は低下。東日本大震災では「想定外」の前に立ち尽くした。再生への処方箋はいまだ見えず、令和時代の大きな課題だ。(小野晋史)

宇宙開発でも注目

 平成時代の科学で特筆されるのはノーベル賞の受賞ラッシュだ。平成12年以降で18人(米国籍含む)が栄誉に輝き、日本の底力を見せつけた。特に山中伸弥さんが18年に開発し、再生医療に革命を起こした人工多能性幹細胞(iPS細胞)は金字塔の一つだ。

photo 本庶佑さん(右から5人目)のノーベル賞受賞決定の祝賀会に集まった日本の歴代受賞者ら=平成30年11月、東京都港区のスウェーデン大使館(三尾郁恵撮影)

 平成が始まってからしばらくは、まだ余裕があった経済力を背景に素粒子ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」や、すばる望遠鏡などの大型研究施設が相次ぎ完成。パソコンやスマートフォンに欠かせない青色発光ダイオード(LED)の開発や、リチウムイオン電池の製品化でも世界をリードした。

 宇宙開発では毛利衛さんの米スペースシャトル搭乗以降、日本人の飛行が当たり前のようになった。国産大型ロケットの成功や、探査機「はやぶさ」による小惑星からの試料回収も世界の注目を集めた。

photo 地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル=平成22年(JAXA提供)

 地球を周回する国際宇宙ステーションには、日本初の有人宇宙施設である実験棟「きぼう」が完成。定期的に物資補給を担う無人補給機「こうのとり」と合わせ、有人宇宙技術の蓄積も進んだ。

 民主党政権時代の事業仕分けで開発費が削減され、「2位じゃ駄目なんでしょうか」の言葉でも注目された理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」は、世界一の計算速度を達成。同研究所のチームによる113番目の元素「ニホニウム」の発見は、アジア初の元素周期表への記載となる快挙だった。

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