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» 2019年05月16日 06時10分 公開

平成の科学:日本の科学技術、再生なるか 論文数は“一人負け” (2/2)

[産経新聞]
産経新聞
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一人負けの日本

 ただ、輝かしい成果の陰で、日本の科学技術力は確実にむしばまれてきた。論文数では近年、主要国の中で一人負けの状態だ。引用される回数が多く質が高いとされる論文では、十数年前は米英などに次ぐ4位だったが、中国に大きく抜かれ9位に後退した。

 政府は7年に科学技術基本法を施行し「科学技術立国」を掲げた。しかし16年に国立大学が法人化された後、大学への運営費交付金は年々減少。人件費や研究費が圧迫され、若手研究者の就職難も深刻化した。短期的な成果を求める風潮も基礎科学の停滞を招いた。

 ノーベル賞の受賞対象となった研究成果は、数十年前に得られたものが多い。そのため、受賞者数の先細りを懸念する声も年々強くなっている。

 また、研究不正の発覚も相次いだ。26年にSTAP細胞に関する小保方晴子氏の論文が不正と認定されるなど、科学への不信が増幅した。

 大規模な災害や原子力事故も科学技術への信頼を傷つけた。阪神大震災や東日本大震災で地震学の限界が浮き彫りとなり、国は予知を前提とした東海地震の防災体制を29年に放棄。東京電力の福島第1原発事故による避難や廃炉作業は今も続く。

 資源に乏しい日本にとって科学技術は生命線だ。令和での巻き返しが期待される。=おわり

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