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» 2019年05月20日 07時06分 公開

量子コンピューター小型・実用化へ前進 東大チーム、心臓部を開発

超高速で計算できる量子コンピューターの小型化に必要な心臓部の部品を東京大の古沢明教授らのチームが開発した。従来の手法と比べ計算回路を大幅に減らすことができ、量子コンピューターの実用化に一歩近づいた。米科学誌電子版に17日、論文が掲載された。

[産経新聞]
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 超高速で計算できる量子コンピューターの小型化に必要な心臓部の部品を東京大の古沢明教授らのチームが開発した。従来の手法と比べ計算回路を大幅に減らすことができ、量子コンピューターの実用化に一歩近づいた。米科学誌電子版に17日、論文が掲載された。

photo 新開発した量子コンピューターの部品を示す、研究チームの武田俊太郎東京大特任講師(右)=15日、東京都文京区の東京大(草下健夫撮影)
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 従来の手法は実行したい計算の種類ごとに多数の回路が必要で、計算の規模が大きくなるほど装置も大型化してしまう問題があった。今回の手法を使えば、小型の装置でさまざまな計算が可能になり、コストの抑制にもつながる。

 古沢氏は「従来は装置をビルほどの大きさにしないと計算できないといわれたが、大きくせずに大規模な計算ができる」と話す。

 開発したのは光の粒(光子)を使うタイプの量子コンピューター部品。回路を輪のようにつないで繰り返し使うことで、1つの回路で多くの計算処理を行える。平成29年に発表した手法に基づき作製した。

 量子コンピューターの計算では、光子を「量子もつれ」と呼ばれる特別な状態にする必要がある。古沢氏らは、光の透過率を瞬時に切り替えられる結晶などを使って、さまざまな種類や規模の量子もつれを作れる回路を実現した。

 量子コンピューターはスーパーコンピューターをはるかにしのぐ超高速計算が可能で、国際的な開発競争が激化している。複数のタイプがあるが、光子を使うタイプは冷却が不要で、光通信と親和性が高いなど実用性に優れるとされる。

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