ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >
ニュース
» 2019年06月03日 06時17分 公開

ブラックホール撮影 次は「ジェット」の仕組み解明へ (1/2)

1世紀前に存在が予言されながら、誰も見たことがなかったブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際チームがついに成功した。捉えた漆黒の穴は、物理学の基本理論を証明する歴史的な発見となった。

[産経新聞]
産経新聞

 1世紀前に存在が予言されながら、誰も見たことがなかったブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際チームがついに成功した。捉えた漆黒の穴は、物理学の基本理論を証明する歴史的な発見となった。

photo 撮影した巨大ブラックホール

一般相対性理論を証明

 ブラックホールは非常に強い重力によって、周囲にある光などあらゆる物をのみ込んでしまう天体。アインシュタインによる1916年の一般相対性理論によって、ほぼ同時期に存在が予想されていた。チームは世界6カ所の電波望遠鏡を連携させて解像度を高め、M87銀河の中心にある巨大ブラックホールを捉えた。

 チームの永井洋・国立天文台特任准教授(電波天文学)は「一般相対性理論の究極の予言といえるブラックホールが、予想通りの形で姿を見せた。重力が強い空間で理論の正しさを示した」と意義を説明する。

 ブラックホールは質量が大きいほどサイズが大きい。また、穴のように見える円形の影は距離が近いほど見かけ上、大きくなり観測しやすい。そこでチームは、地球から特に大きく見える今回のブラックホールと、天の川銀河の中心にあるブラックホール「いて座Aスター」の2つを対象に観測してきた。

 いて座Aスターは地球から2万8千光年の距離にあり、5500万光年離れたM87銀河の中心に比べはるかに近い。ただ、周囲の物質の動きが速く不安定なため、M87銀河の解析が先行し、今回の発表となった。

 2012年ごろから観測を開始したが、黒い穴の存在は当初、はっきりしなかった。日本が参加する南米チリのアルマ望遠鏡が17年に加わったことで感度が飛躍的に向上し、撮影成功につながった。

       1|2 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.