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» 2019年06月06日 06時58分 公開

主治医はスマホ 「5G」でリアルタイム診断 (1/4)

5Gの実用化に向けて、関西の企業や自治体が動き始めた。従来のスマホより通信速度が100倍も速くなる5Gは、過疎地と大病院とをつないだ動画診察を普及させたり、自動運転のトラクターを使った遠隔操作での農作業を可能にしたりできる。人口減少と人手不足に悩む地方での5Gの活用が、先行して始まりそうだ。 

[産経新聞]
産経新聞

 スマートフォンなどの通信速度が飛躍的にアップする次世代高速通信規格「第5世代移動通信システム(5G)」の実用化に向けて、関西の企業や自治体が動き始めた。従来のスマホより通信速度が100倍も速くなる5Gは、過疎地と大病院とをつないだ動画診察を普及させたり、自動運転のトラクターを使った遠隔操作での農作業を可能にしたりできる。人口減少と人手不足に悩む地方での5Gの活用が、先行して始まりそうだ。  (黒川信雄)

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過疎地救う遠隔医療

 1時間の動画を2秒もかからず、ダウンロードが可能になる5G。現在の「4G」のスマホの100倍速い、最大毎秒10ギガビットで通信情報をやりとりできる。「高速大容量化」に加えて、膨大な数の端末に接続できる「多数同時接続性」、時間のずれが少ない「低遅延性」が向上するのが特徴だ。

 和歌山県の中核病院を併設する和歌山県立医科大学(和歌山市)。今年1月、NTTドコモは同大学の地域医療支援センターから約40キロ離れた日高川町の診療所とを5Gでつないだ遠隔診療の実証実験を行った。

 同町の65歳以上の人口は全体の約35.2%と高く、遠くの医療機関に足を運ぶのが難しくなる高齢者が増えることが懸念される。5Gを使えば、これまでの遠隔医療では困難だった大容量の高精細映像の送受信が容易になる。

 実験では同町の医師が心疾患の80代患者のエコー映像を5G端末機を通じて送信した。和歌山県立医大の専門医が、高精細の画像をほぼリアルタイムで診断し、指導をした。「この品質なら十分に治療に活用できる」と、医大の医師は画像の鮮明さに驚いた。

 医師不足や過疎化が深刻化するなか、和歌山県側が5Gを活用した遠隔治療実験をドコモに働きかけた。2020年以降に導入をしたい考えだ。

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