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» 2019年07月18日 06時35分 公開

Libra影響力、世界が警戒 FB利用27億人「通貨」脅かす恐れ G7議論

G7が財務相・中央銀行総裁会議でFacebookの暗号資産「Libra」の規制を議論するのは、従来の国家の枠組みを超える“通貨”としての影響力に警戒感を強めているためだ。

[産経新聞]
産経新聞

 先進7カ国(G7)が財務相・中央銀行総裁会議で米交流サイト大手フェイスブック(FB)の暗号資産(仮想通貨)「リブラ」の規制を議論するのは、従来の国家の枠組みを超える“通貨”としての影響力に警戒感を強めているためだ。

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世界に約27億人の利用者を抱えるフェイスブックが国家の目の届かない「リブラ経済圏」を構築すれば、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床となるだけでなく、金融政策を機能不全にする懸念もある。

 「先に進める状況は整っていない」。G7会議の議長国、フランスのルメール経済・財務相は17日、会議に先立ち、記者団に対し、リブラの導入に向けては規制の議論が必要になるとの認識を強調した。

 リブラをめぐっては、フェイスブックの“お膝元”、米国でも影響を危ぶむ声が強まっている。

 トランプ米大統領は11日、ツイッターでリブラに関し「(社会の)評価と信頼をほとんど得られないだろう」とし、厳格な規制に従う必要があると主張。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も議会の公聴会で、リブラは「最高水準の規制対象とすべきだ」と指摘した。

 ムニューシン財務長官もリブラが資金洗浄やテロ活動の資金支援などに悪用される懸念を強調した。

 一方、国際通貨基金(IMF)は15日まとめた報告書で、リブラなど仮想通貨の利用は急速に広がる可能性があり、早急な対応策が必要だと警鐘を鳴らした。

 フェイスブックのサービス利用者を対象に、リブラが安価で、手軽に送金などの金融取引を提供すれば、利用が一気に広がって取引規模が急拡大しかねない。

 IMFは「中央銀行による金融政策の管理が失われるかもしれない」と訴えた。

 懸念の根底にあるのはフェイスブックへの不信感だ。利用者情報が流出したり、ロシアが大量の偽アカウントを作って偽ニュースを流し、米大統領選の結果を左右した疑惑が生じたりと、数々の問題を起こしてきた。当局による承認に時間がかかる可能性もあり、リブラ発行が計画通り行くか予断を許さない。(シャンティイ 板東和正、ワシントン 塩原永久)

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