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» 2019年07月23日 06時47分 公開

京アニ放火「2階から飛び降りた」迫る黒煙、決死のダイブ 男性社員が証言   (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

 別の階段を使って1階から、若い男性社員が駆け上がってきて「火事だ!」と叫んだ。その階段の近くにいた女性社員が非常ベルを押す。ピーッと耳をつんざくような警報音が響く中、黒煙は一瞬で2階に充満した。目の前は真っ暗になり、伸ばした手が見えなくなるほど視界が遮られた。

 「大丈夫、ジャンプ」

 「このままじゃ確実に死ぬ」。煙で頭がクラクラする中、ベランダ方向から差し込むわずかな太陽の光を頼りに、走った。黒煙は、らせん階段を伝うように3階へと昇っていた。

 2階ベランダに出た。「(飛び降りたら)死ぬか、大けがをするかもしれない」。頭をよぎったが、背中に熱風を感じていた。

 すでに飛び降りていたとみられる数人の同僚が「大丈夫。飛び降りられます。ジャンプ、ジャンプ!」と下から声をかけてくれた。意を決してジャンプし、腰から落ちるように着地。振り返るとスタジオは激しく炎上しており、はうようにしてその場を離れた。気づくと周りの同僚は、靴を履く間などなかったようで、みな裸足だった。

 一命を取り留め、現場近くで消防隊員が容体から搬送の優先順位を判断する「トリアージ」を受けた。両ひじを打撲していたが、もっとも程度の軽い「緑色」だった。だが現場では、火だるまになっていた人や、飛び降りたときに足を捻挫してうめき声を上げていた男性らを見かけた。

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