ITmedia NEWS >
ニュース
» 2019年07月29日 06時46分 公開

京アニ 焼損免れたサーバー資料 復旧急ぐ

京アニの第1スタジオで起きた放火事件で、紙で保管されていた作品の原画や資料はほぼ全て焼失したが、徳島市の書店では焼損を免れた約70点の原画が展示され、多くのファンが訪れている。一方、京アニの代理人弁護士はデジタルデータを保管する1階のサーバールームは焼損を免れていることを明らかにし、復旧に努める意向を示した。

[産経新聞]
産経新聞

 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ、本社・京都府宇治市)の第1スタジオで起きた放火事件で、紙で保管されていた作品の原画や資料はほぼ全て焼失したが、徳島市の書店では焼損を免れた約70点の原画が展示され、多くのファンが訪れている。一方、京アニの代理人弁護士はデジタルデータを保管する1階のサーバールームは焼損を免れていることを明らかにし、復旧に努める意向を示した。

photo 展示作品の関係者メッセージ=25日午後、徳島市の「小山助学館」本店(山田哲司撮影)

 代理人の桶田大介弁護士によると、焼失した原画などの紙資料は膨大な量にのぼる可能性があり、過去の作品だけでなく、新作の原画も失われたとみられる。

 焼損を免れたサーバールームについては「水をかぶった様子はなく、ある程度データを拾えそうに思える」と説明。「(資料は)亡くなった方や傷ついた方の成果そのもの。回収回復に努めたい」とした。

 日本大の津堅(つがた)信之講師(アニメーション史)によると、一般的に30分間のアニメ番組1本には3千枚前後の絵が必要とされる。ハリウッドなどではデジタル化が進むが、日本では紙と鉛筆を使って原画を描くケースが大半で京アニは特に、手描きの原画にこだわっていたという。

 サーバールームが焼損を免れたことについて、立命館大の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は、「ハードディスク(HD)は高熱に弱く、復元には困難を伴うが、焼損していなければ期待が持てる」と指摘。2003年の米スペースシャトル事故では、大気圏突入の高熱にさらされた記録装置からデータ復元に成功した例もあるといい、「一刻も早く回収し、復元作業に入る必要がある」とした。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.