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» 2019年07月30日 07時06分 公開

求められる京アニ被害者支援 態勢の拡充必要か 

35人が死亡し、33人が負傷した京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ放火殺人事件は今後、被害者やその家族に対する息の長い支援が必要となってくる。京都府や民間の支援団体が支援態勢の準備を進めているが、大幅な態勢の拡充が求められる。

[産経新聞]
産経新聞

 35人が死亡し、33人が負傷した京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ放火殺人事件は今後、被害者やその家族に対する息の長い支援が必要となってくる。京都府や民間の支援団体が支援態勢の準備を進めているが、大幅な態勢の拡充が求められる。

 「犠牲になられた方があまりにも多い…」。公益社団法人「京都犯罪被害者支援センター」の冨名腰(ふなこし)由美子事務局長は悲痛な声をもらした。

 事件発生直後、京都府警が約100人態勢の「被害者支援班」を発足させ、被害者やその家族の付き添いなどにあたっているが、その後の長期的支援を担うのは府やセンターだ。

 今後は負傷者や遺族らの精神的なケアのほか、日常生活から刑事裁判の手続きまで多岐にわたる支援が求められる。直接的な被害に遭っていなくても、同僚を亡くした社員のケアも必要となることが予想される。

 そうした場合に懸念されているのが、人手不足だ。センターには事務局スタッフ6人のほか、専門の訓練を受けたボランティア約20人が在籍。現在は必要な支援態勢を整える準備を進めている。被害によっては数年単位での支援を必要とする場合もあるが、今回はかつてない規模の被害が出ているだけに、冨名腰さんは「どれだけの支援の手が必要なのか、まだ分からない」と話す。

 府も被害者の生活に必要な情報提供を行うが、カウンセリングなど専門知識を必要とする支援も多い。センターは態勢を手厚くするため、府外にある犯罪被害者支援センターに協力を求める。

 犯罪被害者支援に詳しい武庫川女子大の大岡由佳准教授は「被害者は事件直後、感情が麻痺した状況になり、気丈に振る舞う人も少なくないが、時間がたつにつれて心のケアが必要となるケースが増えてくる。そうした中、いかに十分な支援ができるか、関係機関同士の連携が重要になる」と指摘している。

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