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» 2019年08月02日 07時22分 公開

開発変更がアダに nanaco成功体験が生んだ過信 7pay

失敗に終わった「7pay(セブンペイ)」は、セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、デジタル戦略の要として期待を寄せたスマホ決済アプリの開発だったが、ずさんなセキュリティー対策を露呈し、大企業病の根深さを浮き彫りにした格好となった。

[産経新聞]
産経新聞

 失敗に終わった「7pay(セブンペイ)」は、セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、デジタル戦略の要として期待を寄せたスマホ決済アプリの開発だったが、ずさんなセキュリティー対策を露呈し、大企業病の根深さを浮き彫りにした格好となった。

 「一度失った信頼を戻すのは大変だと承知している」。セブン&アイHDの金融・デジタル戦略を統括する後藤克弘副社長は、セブンペイ廃止を公表した1日の会見で力なく語った。

photo 廃止が決まったスマートフォン決済サービス「7pay(セブンペイ)」

 セブン−イレブン・ジャパンの永松文彦社長がサービス開始を宣言したのはちょうど1カ月前の7月1日。12年前に始めた電子マネー「nanaco(ナナコ)」の普及実績などを報道陣に語り、独自スマホ決済導入に自信を示していたばかりだった。ナナコは平成19年4月のセブン−イレブンを皮切りに、ポイント制を盛り込み、発行6518万件(今年2月末現在)と、グループのキャッシュレス決済の一翼を担う。

 だがこれらの“成功体験”が緩みを生んだ可能性がある。セブンペイは元々、独立した決済アプリとして平成30年2月に開発が始まったが、後にセブン−イレブン・ジャパンが開発した別のアプリ「セブン−イレブンアプリ」が利用者数を伸ばしたことで状況が一変。効率重視の観点から、セブンペイは独立アプリではなく、すでに利用者を獲得しているセブン−イレブンアプリの決済機能として付加された。

 同社は、当初予定の開発設計からそれたセブンペイが、キャッシュレス推進協議会が公表した不正利用防止のためのガイドラインの幾つかを順守できていないことは認識していたが、利用店舗がセブン−イレブンに限られる点に加え、「利用状況の監視(モニタリング)をしっかりすることで、チェックできると考えた」と話す。

 ある業界幹部は、ファミリーマートは伊藤忠、ローソンは三菱商事など、キャッシュレス決済の導入にあたり親会社の協力を得た一方、流通業者として発展してきたセブンは、「ナナコの成功体験もあり、システム開発への過信というおごりがあった」と指摘する。

 同じ7月1日にサービスを開始した、ファミリーマートの独自スマホ決済「FamiPay」のサービスは、ダウンロードが300万件を超え、大きな不正問題は報告されていない。

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