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» 2019年08月07日 07時00分 公開

巨大化GAFAに転機 米当局、反トラスト法で調査 (1/2)

「GAFA」と呼ばれる米国IT大手4社などを対象に、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)の調査に乗り出した。米連邦取引委員会(FTC)も個人情報流出問題で、フェイスブックに巨額の制裁金支払いと情報管理を強化させる社内制度構築を指示。米政府はIT大手の締め付け強化へと急旋回している。「規模の経済」を謳歌して市場支配力を強めてきたGAFAの転換点となるかもしれない。(ワシントン 塩原永久)

[産経新聞]
産経新聞

 「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米国IT大手4社(グーグル、アマゾン・コム、フェイスブック、アップル)などを対象に、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)の調査に乗り出した。米連邦取引委員会(FTC)も個人情報流出問題で、フェイスブックに巨額の制裁金支払いと情報管理を強化させる社内制度構築を指示。米政府はIT大手の締め付け強化へと急旋回している。「規模の経済」を謳歌して市場支配力を強めてきたGAFAの転換点となるかもしれない。(ワシントン 塩原永久)

 「運転席にいる経営トップは速度を緩め、プライバシー保護に心を砕けということだ」

 ワシントンのFTCで7月24日、フェイスブックに50億ドル(約5400億円)の制裁金を科すと発表した当局幹部は、記者会見でそう語った。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がかつて唱えたモットー「素早く動き、破壊せよ」を当てこすった格好だ。

 FTCは2012年にフェイスブックと結んだ協定で、厳格な情報管理や、利用者へのデータ利用方法の丁寧な周知を命じた。だが昨年春、同社をめぐり最大8700万人の利用者データが英データ分析会社に流出した問題が表面化。今回の制裁発表で、FTCは「消費者を欺いた」と厳しく同社を批判した。

 フェイスブックは制裁金を含むFTCとの和解案に沿って、社内に「プライバシー委員会」を設立し、個人情報保護やデータ管理の透明性向上に向けた取り組みを3カ月ごとにまとめる。同社幹部はこうした社内の組織改革が「現行の米国法が求める以上のもの」と位置づけ、率先した取り組みがIT界の標準となると期待を示した。

 この日の会見で当局者は、こうした取り組みの結果、同社の情報管理におけるザッカーバーグ氏の影響力が低下するとの見方を示し、20億人を優に超える会員数を誇る同社の交流サイトなどでプライバシー保護が進むとの期待を表明した。

 もっとも、フェイスブックについてFTCが下した処分の採決は、委員5人のうち共和党系の3人が賛成したが、民主党系2人は反対に回った。プライバシー侵害関連の制裁金で、世界最高額という50億ドルですら「甘すぎる」と映ったためだ。

 ある委員は、同社が制裁金を払ってでも巨額の利益を維持できる経営体力があることから、「同様の事案発生を防ぐことができない」と指摘。別の委員はフェイスブックの法人とザッカーバーグ氏を提訴すべきだとの見解を公表した。

 FTCの決定前日の23日には司法省がIT大手の調査開始を発表。自由競争を推進する「伝家の宝刀」とされる反トラスト法(独占禁止法)を根拠に、ネット検索や交流サイト、通販で圧倒的な市場支配力を持つGAFAが、公正な競争を歪めていないかを調べるとした。

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