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» 2019年08月13日 07時00分 公開

三井美奈の国際情報ファイル:「仮想通貨大国」目指すスイス Facebook「リブラ」は上陸するか (1/3)

世界で是非論を巻き起こす米交流サイト大手フェイスブック(FB)の暗号資産(仮想通貨)「リブラ」。その本拠地に選ばれたスイスは、各国の規制の動きをよそに、「仮想通貨大国」を目指してひた走っている。

[産経新聞]
産経新聞

 世界で是非論を巻き起こす米交流サイト大手フェイスブック(FB)の暗号資産(仮想通貨)「リブラ」。その本拠地に選ばれたスイスは、各国の規制の動きをよそに、「仮想通貨大国」を目指してひた走っている。

photo 「リブラ・ネットワークス」が法人登記されたジュネーブのビル(三井美奈撮影)

 シリコン・バレーならぬ、「クリプト・バレー」を御存じだろうか。英語で「暗号の谷」という意味で、スイス中部のツーク州の別名だ。人口12万の小さな州に、仮想通貨の基盤となるブロックチェーン(分散型台帳)企業が380以上ひしめくので、この名がついた。ここは、スイスの未来を示す「実験場」でもある。

 州都ツークを訪れると、静かな湖畔の古都だった。アルプスの山並みを背景に牛が草をはみ、果樹園が広がる。黄色い壁のかわいい民家が並び、まるでグリム童話から出てきたよう。だが、目を凝らすと表札にはフィンテック(IT金融サービス)企業の名がズラリ。ギャップがすごい。

photo 「クリプト・バレー」(暗号の谷)と呼ばれるスイス・ツーク州(三井美奈撮影)
photo スイス・ツークのカフェには、「ビットコイン使えます」の看板が(三井美奈撮影)

 広場のカフェでは、仮想通貨ビットコインが使える。使い方を尋ねると、店員がタブレット端末を見せてくれた。「スイス・フランで価格を打ち込むと、今日のビットコイン価格が出てきます。あとは携帯電話を使って支払うだけですよ」と言う。店内を見渡すと、IT起業家とおぼしき男性が、ポロシャツと半ズボンというリゾート姿で端末を片手に論議していた。

 州内では行政手続きの手数料も、仮想通貨で支払いが可能だ。同州に本社を置く「ビットコイン スイス」と協力し、スイス・フランに換金して州口座に計上する。

 仮想通貨は変動幅が大きく、リスクが指摘される。そんな未知数の分野になぜ、入れ込むのか。それは「銀行大国」として生きてきたスイスが、新たな脱皮を図っているためだ。

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