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» 2019年08月19日 07時05分 公開

こだわりの京アニ作品、マイノリティーにも光 (1/2)

京アニは、細部まで完璧に描く作画力やキャラクターの心理を細やかに表現する演出力で、数々の人気作品を世に送り出してきた。その徹底したこだわりやマイノリティーにも光を当てる姿勢はアニメファン以外からも支持されており、質の高い作品を生み出してきたスタジオへの放火で35人もの命が奪われたことに悲しみの声は絶えない。

[産経新聞]
産経新聞

 アニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ、本社・京都府宇治市)は、細部まで完璧に描く作画力やキャラクターの心理を細やかに表現する演出力で、数々の人気作品を世に送り出してきた。その徹底したこだわりやマイノリティーにも光を当てる姿勢はアニメファン以外からも支持されており、質の高い作品を生み出してきたスタジオへの放火で35人もの命が奪われたことに悲しみの声は絶えない。(江森梓、木ノ下めぐみ)

photo 京都アニメーションが制作したアニメ「響け!ユーフォニアム」のDVD

「響け!ユーフォニアム」

 平成27年から放映が始まり、吹奏楽に情熱を傾ける高校生たちの人間模様を描いたアニメ「響け!ユーフォニアム」には、さまざまな管楽器が登場する。一つ一つが細部まで丁寧に描かれ、楽器業界の関係者らも注目した作品だ。

 「マイナーな楽器にスポットを当ててくれたのが、うれしかった」。楽器メーカー大手「ヤマハ」の元社員、原田実(みのる)さん(69)=浜松市中区=は振り返る。タイトルにもあるユーフォニアムは、原田さんにとって特別な楽器だ。高校時代に吹奏楽部に所属し、ユーフォニアムを演奏。入社後は楽器の設計を希望したが、数年は楽器の塗装を担当する部署に配属された。

 念願がかなったのは、30歳のころ。初めて設計を手がけたのもユーフォニアムだった。華やかな音色のトランペットに比べると派手さはないが、「流れるようなメロディーを奏でられ、演奏に厚みを持たせるために必要な楽器なんです」と話す。

 実は、京アニは同作品を制作する際、ヤマハの子会社「ヤマハミュージックジャパン」に楽器の貸し出しを依頼したが、主人公が演奏するユーフォニアムだけはこだわりがあったため購入していた。

 原田さんは作品を見て、あまりに楽器が忠実に再現されていたことに驚くとともに、設計に打ち込んだ自身の青春時代を思い出した。「彼らも同じように夢や情熱を持っていたと思うと、やりきれない」。事件で大勢の若い社員らが犠牲になったことを憤り、「京アニには亡くなった方々の遺志を継いでこれからもすばらしい作品を作り続けてほしい」と願った。

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