ITmedia NEWS > 社会とIT >
ニュース
» 2019年09月18日 06時30分 公開

「紙の本なくならない」ページめくる動作にカギ (1/2)

電子書籍の市場拡大が見込まれる中、「紙の本はなくならない」と明言するのが、龍谷大社会学部の松島恵介教授(51)だ。生態心理学の観点から記憶について研究している松島教授は「記憶の仕組みを考えた場合、紙の本には電子書籍にない優位性がある」と強調する。

[産経新聞]
産経新聞

 電子書籍の普及などに伴って紙の書籍の市場は縮小を続けている。平成30年の紙の書籍の市場規模が前年比で5.7%減ったのに対し、電子書籍市場は11.9%増加。今後も電子書籍の市場拡大が見込まれる中、「紙の本はなくならない」と明言するのが、龍谷大社会学部の松島恵介教授(51)だ。生態心理学の観点から記憶について研究している松島教授は「記憶の仕組みを考えた場合、紙の本には電子書籍にない優位性がある」と強調する。(花輪理徳)

photo 電子書籍を読むためのタブレット端末と紙の本を手に取る龍谷大の松島恵介教授

 「紙の本を手に取って読むとき、書かれている内容を記憶するのと同時に、ページのどの位置に、どんな内容が書かれていたか、ページの肌触りや紙の質といった無数の情報を無意識に五感で受け取っている」。松島教授はこう指摘する。

 過去に海外で行われた実験では、同じ本を2つのグループにそれぞれ、紙の本と電子書籍で読ませて記憶力を試すテストを行ったところ、内容に関する記憶では差が出なかったものの、ストーリーの順序に関しては、紙の本で読んだグループの方が成績が良かった。

 松島教授はその要因について「ページをめくるという動作にカギがある」と説明する。紙の本を手に取って読み進めるうちに開いた本の左右の厚さが変わっていくことで、読者は無自覚的に、今読んでいる部分が序盤なのか、終盤なのか感じ取っているのだという。

       1|2 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.