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» 2019年10月17日 12時20分 公開

「ロシア版Wikipedia」作成へ 露政府、情報統制懸念も

ロシア政府が、インターネット百科事典サイト「ウィキペディア」に対抗する「ロシア版ウィキペディア」の作成に乗り出した。

[産経新聞]
産経新聞

 【モスクワ=小野田雄一】ロシア政府が、インターネット百科事典サイト「ウィキペディア」に対抗する「ロシア版ウィキペディア」の作成に乗り出した。誰でも編集できるウィキペディアと異なり、専門家が記事を執筆することで精度の高い情報を利用者に提供することを狙いとしているが、露ネットユーザーからは「政府による情報統制強化の一環だ」と早くも懸念の声が上がっている。

 露政府は9月、来年1月からの政府予算を公表。ロシア版ウィキペディアの作成に向けた支出も計上した。狙いは「ネット上に氾濫する改竄(かいざん)された情報や不確実な情報から正しい情報を守ること」とされ、22年末までに計17億ルーブル(約28億円)が支出される計画だ。

 露経済紙RBKによると、サイト作成はロシアの百科事典出版社が担当し、各分野の専門家が執筆。サイト公開後は一般利用者も用語を追加したり記事を編集したりできるが、最終的に掲載するかは専門家のチェックを経て判断される。

 この計画に対し、露ネットユーザーからは「この予算を福祉政策に回すべきだ」との批判や「新たなプロパガンダ(政治宣伝)サイト、ロスペディアの誕生だ」などとの皮肉が噴出。露政府が最近、「政権への不敬」を処罰する法律や、露国内のネットを国外から切り離すことを可能にする法律を施行するなどネット規制を強化していることを背景に「政府に都合の悪い情報がさらに遮断される」と危惧する声も出ている。

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