プロが読み上げた本の音声を聞いて楽しむ「オーディオブック」の人気が高まっている。日本語オーディオブックを牽引する「オトバンク」(東京都文京区)が運営する「audiobook.jp」の会員数は今年9月に100万人を突破、昨年末比で約40万人増加した。聞き放題プランが支持されていることに加え、人工知能(AI)スピーカーが普及し、心地よく聞けるようになっていることも後押ししているようだ。(文化部 櫛田寿宏)
オトバンクがサービスを開始したのは平成19年。作品は著作権者の許諾を得てからスタジオで声優らが朗読し録音する。現在、ベストセラーを中心に2万7千点のコンテンツを配信している。
オーディオブックはスマートフォンやパソコンなどにダウンロードして聞く。再生スピードは0.5〜4倍に調節できる。聞き放題プランは月額750円だ。1冊1500円の本をオーディオブックで聞けば、料金は半額で済み、お得感がある。
同社が行ったアンケートによると、聞いている場面としては移動中が58%で最も多い。会員の中心は30〜40代の男性。ビジネス書や自己啓発書は人気のジャンルで、通勤の時間を利用して自分磨きをするビジネスパーソンが多い。
百田尚樹さんのベストセラー「海賊とよばれた男」、平野啓一郎さんの代表作で11月1日に映画が公開される「マチネの終わりに」など、文芸の話題作もそろう。
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