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» 2019年10月31日 07時15分 公開

「MaaS」参入競争始まる 主役は鉄道 スムーズな移動サービスで実証実験めじろ押し (1/3)

鉄道やバスなどあらゆる交通手段を連携させる次世代移動サービス「MaaS(マース)」をめぐる参入競争が熱を帯びている。マイカー以外の全てのモビリティー(交通手段による移動)を一つのサービスととらえる「100年に1度」の交通革命をビジネスチャンスととらえているからだ。

[産経新聞]
産経新聞

 災害対策をはじめ多くの経営課題に直面する鉄道産業。サービス拡充や技術革新に向けた取り組みなどを随時取り上げる。

 鉄道やバスなどあらゆる交通手段を連携させる次世代移動サービス「MaaS(マース)」をめぐる参入競争が熱を帯びている。マイカー以外の全てのモビリティー(交通手段による移動)を一つのサービスととらえる「100年に1度」の交通革命をビジネスチャンスととらえているからだ。足元で1000億円前後にすぎない市場規模が令和12(2030)年には6兆円を突破するとの予測もあり、JR東日本や私鉄大手の小田急電鉄など主役となり得る鉄道事業者はこぞって実証実験を開始。航空会社といった異業種と取り組むケースも相次ぐ。

photo 小田急電鉄のロマンスカー。沿線でMaaSの実証実験を始める

6兆円市場の予測も

 「移動に関する情報が集約されている便利なサービスに驚き自社サービスに活用できないか試していた」

 小田急が今月7日にスマートフォン向けMaaSアプリ「EMot(エモット)」を使った実証実験を始めると発表した2日後、東京都内で始まった展示会の同社ブースは来場者であふれていた。対応した経営戦略部次世代モビリティチームの田中咲さんはこう語り、手応えを感じた。

photo MaaSのイメージ図

 エモットを使ったデモンストレーションでは、小田急新宿駅から箱根湯本駅までを検索すると特急券購入サイトに移行し「ロマンスカー」の特急券を買うことができる。スマホで最適な交通手段を検索し予約、決済できるという利便性の高さに、自治体や交通関連のMaaS担当者も興味を示した。

 サービス提供は来年3月10日までで観光型MaaSのほか、新百合ケ丘駅(川崎市)の商業施設で商品を購入すると同駅から自宅最寄り駅までのバスの無料乗車券を配布。また同駅と新宿駅構内の飲食店で使える定額制サービスも用意した。

 久富雅史経営戦略部長は「小田急のMaaSの強みは生活サービスも提供できること。飲食や購買とセットにすることで移動に価値をもたらすことができる」と話す。沿線人口が増えない中、降車後の移動のしやすさ、暮らしやすさを訴えることで沿線の魅力を発信、小田急グループの顧客を増やす狙いだ。

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