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» 2019年11月06日 07時00分 公開

「黒い服で着やせ」「アイメークでデカ目」──ファッションや化粧の効果を科学で数値化 阪大で分析 (1/2)

大阪大学の森川和則教授は、「黒い服には着痩せ効果がある」「アイメークをすると目が大きく見える」といった主観的な定説を、科学的に証明する研究を行っている。

[産経新聞]
産経新聞

 黒い服には着やせ効果、アイメークを施した方が「デカ目」に見える――こうしたファッションや美容の定説、耳にしたことがあるだろう。実は、見え方によって人間の脳がだまされる「錯視」の作用を応用したもの。印象論や主観で語られることが多かった“美しく欺く”効果を、科学的に証明する研究を大阪大の教授が進めている。

photo 服の色と着こなしによる着やせ効果を調べた画像(作製協力・デジタルファッション社、森川和則教授提供)

 白と黒のシャツとスカートを、さまざまに着こなした同一の女性の3D画像。同じ体形のはずなのに、白より黒い服を着た方が、シャツの裾をスカートの中に入れる「タックイン」の着こなしの方がよりスタイルアップしてみえる。

 「白に比べ、黒ではバスト・ウエスト・ヒップは1.8センチずつ細く、タックインでさらに1.3センチずつ痩せてみえる。また、タックインは7センチも脚が長く見える効果もある。全て『錯視』によるものです」。大阪大大学院の森川和則教授(61)=視覚心理学=が説明する。

 錯視とは、目の前にある事象と脳が認識するものとのずれが生じる現象だ。人間は、目に映ったものをそのまま認識するのではなく、脳内で分析し、さまざまな解釈を加えて組み立て直している。この過程で情報不足などが生じると、錯視が起こる。

 例えば、タックインで着やせしたり脚長に見えたりするのは、脳が見えているウエスト部分の情報をもとに見えない部分を推測することによる錯視が影響している。

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 「私たちが見ている世界は、実は脳が作り上げた一種の仮想現実」と森川氏。

 錯視は部屋を広く見せる家具の配置など、日常生活で応用されているが、着やせ効果はスタイリストやメーカーの印象論などで語られることが多かった。森川氏は錯視の観点から科学的に裏付けることに着目。世界で初めて、服装による見た目の変化を測定することに成功した。

 実験では、日本人女性の平均体形の立体画像をCGで作り、スリーサイズを2センチ刻みで増減させた体形の「ものさし」を作製。これらと平均体形にさまざまなパターンで白と黒のシャツとスカートを着せた画像とを組み合わせ、見え方を調べ、錯視効果を解析した。

 結果は、9月中旬の日本心理学会で発表された。森川氏は「これからはファッション業界も客観的なデータに基づいた着こなしが提案できるようになる」と期待する。

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