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» 2019年11月11日 07時00分 公開

総務省、NHKのネット同時配信案に再検討を要請 民間事業者への影響を懸念

総務省は、NHKが提出した常時同時配信についての実施基準案を再検討するよう要請したと発表した。民間放送事業者との競争を阻害すると懸念している。

[産経新聞]
産経新聞

 総務省は8日、テレビ番組を放送と同時にインターネットで配信できるようにする常時同時配信に向けて、NHKが認可申請した実施基準案を再検討するよう要請したと発表した。ネット業務の費用が増える点などを問題視し、修正を求めた。現行案を事実上認めない考えで、NHKはネット業務の見直しが迫られそうだ。

photo 高市早苗総務相=首相官邸(春名中撮影)

 高市早苗総務相が8日の閣議後記者会見で、NHKの実施基準案に対する総務省の基本的な考え方を示し、受信料の在り方や業務見直しの検討を要請したことを明らかにした。「ネット活用業務を含むNHKの業務全体を肥大化させないことが求められる」との見解を述べた。

 総務省はNHKに対し、12月8日までに再検討結果を出すよう求めた。同時に総務省の基本的な考え方について11月9日から12月8日まで一般から意見を募集。それぞれの内容を考慮して、年内にも認可の可否を判断する。

 これまでNHKはネット業務の費用を受信料収入の2.5%までとするルールを定め、この範囲内で運用を進めてきた。受信料で年7千億円規模の収入を安定的に得ているNHKが事業を野放図に拡大すれば、民間放送事業者との市場競争が阻害されかねないと懸念されているからだ。

 だが、NHKが10月に申請した常時同時配信の実施基準案では、国際放送番組の配信や東京五輪・パラリンピック関連など公共性の高い4業務を別枠で管理するとしており、この分の費用を含めると、ネット活用業務費用は受信料収入の約3.8%に相当することになる。

 総務省は「現行の実施基準と比較して著しく増加する」とした上で、「20年度の赤字が見込まれている協会全体の事業収支を悪化させる」との懸念を示し、20年度は五輪関連費用を除き、受信料収入の2.5%を維持することなどを求めた。

 また、NHKが常時同時配信と並行して進めるはずの受信料引き下げや業務全体の見直しが十分ではないことを踏まえ、高市氏は「ネット活用業務も受信料を財源として行われるものなので、改革をしっかりと進めていただいた上で、真に必要なものを見極めさせていだだく」と述べた。(万福博之)

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