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» 2019年11月14日 07時00分 公開

てんかん患者の発作や服薬を素早くデータ化 画像認識を活用して記録の負担を減らす (1/2)

てんかんの持病がある子供の家族会とITベンチャー企業が患者家族向けのスマートフォンアプリを開発。発作や薬の情報を手で入力しなくてもデータ化して共有できる。介護の負担を減らす狙い。

[産経新聞]
産経新聞

 てんかんの持病がある子供の家族会と東京のITベンチャーが、患者家族向けのスマートフォンアプリ「nanacara(ナナカラ)」を共同開発し、12月から無料提供を開始する。日々の発作や服薬の記録を簡単にデータ化できるほか、家族内で情報を共有する機能を持たせ、介護者らの負担軽減につなげるねらいだ。

photo てんかん患者家族向けのスマホアプリを掲げるサチプロジェクトの発起人、本田香織さん=神戸市中央区(吉国在撮影)

 開発したのは、てんかんの子供を持つ家族や専門医らでつくる民間団体「SAChi Project(サチプロジェクト)」(大阪市)と、ITベンチャー「ノックオンザドア」(東京都)。

 てんかんは、薬で発作をコントロールしており、治療のためには服薬と発作の詳細な記録が欠かせない。だが、発作は突然起きるため、患者の対応に追われながらデータを取ることは家族の負担となっていた。

 アプリは、服薬時間や診察結果、発作の状況が動画などで記録でき、家族内で情報を共有する仕組み。

 写真撮影した診療明細書を自動的にデータ化し、動画の自動タイマー機能で発作が続いた時間を記録できるなど、手入力の手間を省いた。今後、撮影した写真から顔を識別し、患者の体調を自動的に測る人工知能(AI)機能も持たせる。

photo スマートフォンアプリには、てんかん発作の時間や服薬の種類などを簡単に記録し、家族内で共有できる機能がある(ITベンチャー「ノックオンザドア」提供)

 将来的には、集めたデータを医療機関などに提供し治療や創薬に役立てたいとしている。

 問い合わせはサチプロジェクト設立準備室(06.7777.2708)。

「子育て楽しむ一助になれば」

 「治療と生活の助けとなり、患者家族が子育てを楽しむのに役立てば」。てんかん患者家族向けのアプリ開発に携わったサチプロジェクト発起人の本田香織さん(38)=大阪市城東区=も、てんかんの長女を持つ母親の一人。自身の経験が患者家族への思いをより強くし、開発への取り組みを後押しした。

 まな娘の萌々花(ももか)ちゃんに異変が起きたのは、2013年3月の朝。布団の上で、白目をむいて生後5カ月の小さな体を震わせていた。救急搬送したが、原因は分からずじまいだった。

 「高い確率で重度の障害が残ります」。転院先で判明した病名は、乳児に生じやすい難治性てんかんの一つ「ウエスト症候群」。親しい友人にも事実を伏せた。「てんかんに対する偏見を私自身が持っていたんだと思う」と振り返る。

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