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» 2019年11月14日 07時00分 公開

2度の着地に成功したはやぶさ2 高めた技術を火星に生かす

はやぶさ2は小惑星リュウグウでの任務を終え帰路についた。2度の小惑星着地を成功させた技術は、火星の衛星での物質採取でも活躍が期待される。

[産経新聞]
産経新聞

 小惑星リュウグウで全ての任務を遂げたはやぶさ2。想定外の事態に直面しながら、綿密な検討と工夫で困難を乗り越えた。トラブルが多発した初代はやぶさの反省を十二分に生かし、日本の宇宙探査技術の成長を世界に示した。

 最大の試練は2月に行った最初の着地だった。リュウグウは予想に反して岩だらけで、安全に着地できる場所がほとんどない。チームは降下訓練で機体の性能を徹底的に調べ、設計上の性能を大幅に上回る精度を引き出して狭い平地への着地に成功。初代の失敗を繰り返すまいとする意地もうかがえた。

 2回目の着地は重大な決断を迫られた。人工クレーターを作り地下の物質を露出させる準備作業は見事に成功したものの、着地には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の幹部から慎重論が出た。失敗すれば、2月に採取した物質すら持ち帰れない恐れがあったためだ。だが緻密な分析で安全を確保できると判断し、実施に踏み切った。慎重さと大胆さを併せ持つチームの底力が出た形だ。

 復路の成否はイオンエンジンが鍵を握る。初代はやぶさは4基が全て故障し危機に陥った。耐久性の向上策によって最後まで正常に飛行できるか注目される。

 小惑星探査で世界トップの地位を確立した日本。現時点で後継機の計画はなく、次は火星の衛星で世界初の物質採取を狙う。はやぶさ2のメンバーの多くが参加する見込みで、2024に探査機を打ち上げる。

 小惑星と比べ重力が大きく物質の採取法も異なるが、着地点の選定などでノウハウが役立つ。はやぶさ2の技術を新たな舞台で生かせるか世界が注視している。(草下健夫)

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