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» 2019年11月28日 07時00分 公開

SNS犯罪 子供守る手だては「ペアレンタルコントロール」

スマートフォンを持つ子供が増える一方で、SNSを使った事件も後を絶たない。子どもを守るために親が取れる手段の一つであるペアレンタルコントロールを活用しながら親子で話し合い、ネットリテラシーを高める必要がある。

[産経新聞]
産経新聞

 伊藤仁士容疑者と大阪市住吉区の女児の接点となった会員制交流サイト(SNS)。スマートフォンの所有率向上とともに、子どもがインターネットを通じて顔の知らない人と会い、事件に巻き込まれるケースは後を絶たない。子どもたちを守る手だてはあるのか。

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届いたダイレクトメール

 「こんにちは」

 捜査関係者らによると、11月10日ごろ、女児のスマホのTwitterに、見知らぬアカウントからのダイレクトメッセージが届いた。女児が呼び方を尋ねると、相手は「せつじろう」と名乗った。

 年齢や住所を聞かれ、やりとりを続けているうちに「別の女の子の話し相手になってほしい」と自宅に誘われ、「近くていいところはない?」などと待ち合わせ場所や日時を尋ねられた。最初のやりとりから約1週間後、指定された自宅近くの公園で待っていたのが伊藤容疑者だった。

 女児の母親は「子どものスマホはたびたびチェックしていたが…」と振り返る。犯罪に子どもが巻き込まれないようにするにはどうすべきなのか。

高い子どものスマホ所有率

 近年キーワードになっているのが、子どものスマホのアプリ課金や、ゲーム時間などを管理できるようにするなどの「ペアレンタルコントロール」という取り組み。親が子どもに持たせるスマホや携帯電話の設定で、アプリゲームの課金やアクセスできるサイトなどを制限して管理することを指し、携帯電話キャリアなどでさまざまなサービスがある。

 親が子どもにとって危険と判断するSNSは、利用できないようにすることも可能だ。ただ、親や携帯のキャリア会社などが危険と判断したサイトやSNSしか制限できず、限界もある。

 「SNSの危険性を考えると、本来子どもにはスマホを持たせるべきでない」と教育評論家の尾木直樹さんはいう。ただ、2018年の内閣府の調査によると、スマホの所有率は小学生で40.7%、中学生では65.8%、高校生では94.3%にも上り、所有者の多くがSNSを利用しているとみられる。

 一方、「これだけスマホが普及している以上、子どもにもスマホを持たせることを前提に考えるべきだ」と指摘するのは、子どもをネット犯罪から守る活動などを行っているNPO法人「イーランチ」の松田直子理事長(59)。「親が子どもに言わずに監視するのではなく、互いに話し合いながらネットリテラシーを高めていく必要がある」と話す。

ネットで乏しくなる危機感

 情報セキュリティメーカーのデジタルアーツによると、18歳以下の男女618人を対象に「ネット上でやりとりする人との関係をどうしたいか」と尋ねたところ、半数ほどが会うことに前向きと答えた。

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 子どものネット利用に詳しい近畿大の辻本典央教授は、「ネット上で一緒にゲームをしたりすることで、実際に顔は知らないのに仲間や友達と錯覚して危機感が薄くなる若者は多い」と分析。「現実の世界では公園で見知らぬ人に声を掛けられてもついていかないという子どもでも、ネット上では危機感が乏しくなる。ネット上でも危険性は同じだという教育を徹底する必要がある」と呼びかけた。

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