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» 2019年12月05日 07時00分 公開

チケットを時価で販売する「ダイナミックプライシング」活用進む 高額転売に歯止め掛けられるか (1/2)

コンサートやスポーツの分野で、ダイナミックプライシングの活用が進んでいる。チケットの価格を需要に応じて変動させ、高額転売を防ぐ目的があるが。本格運用には価格を開示する透明性が求められる。

[産経新聞]
産経新聞

Jリーグに続き浜崎あゆみさんライブに導入

 音楽コンサートのチケットが高額転売されるのを抑制するため、新たな試みが始まっている。エイベックス・エンタテインメントは、年末に予定されている歌手、浜崎あゆみさん(41)のライブチケットを時価で発売。国内の単独アーティストとしては初の取り組みだ。需要に応じた価格で販売し、定価と実勢価格との差額を利益とする転売を防ぐのが目的だが、本格的な導入には、価格状況などを適切に開示する透明性も求められそうだ。(森本昌彦)

photo 浜崎あゆみさんの年末ライブのチケットが、時価で販売されている

 「投資で生じた借金を返済するために始めた」。11月下旬、プロ野球オールスター戦のチケットなどを高値で転売したとして、入場券不正転売禁止法違反容疑で警視庁に逮捕された東京都職員の男は、調べに対し、こんな趣旨の供述をした。

 6月に同法が施行されてから初の逮捕とされる事件で、男は2012年から、計約4700万円を売り上げたという。

 国民生活センターの発表では、インターネットでのチケット転売に関する相談件数は17年度の852件から、18年度には2045件に急増。13〜18年度の相談5187件のうち、コンサートが3767件で最多だった。

 音楽業界では転売禁止の呼びかけと同時に、法整備に向けた働きかけを実施。コンサート会場では、購入者本人かどうかを確認するため、運転免許証やパスポートなど公的証明書の提示を求めたり、顔認証を導入したりした例もある。

 エイベックス・エンタテインメントが行っている時価販売は、AI(人工知能)を活用し、需給に応じて価格をリアルタイムに変動させる「ダイナミックプライシング」という手法を採用。席の種類によって標準価格が設定されているが、実際の価格はその後上下していく。

 従来の定価販売では、人気イベントの場合、定価を上回る値段でもチケットを購入したいという人がいる可能性があり、その差額が不正転売の利益となる。もともと需要に合った価格で売り出せば差額は少なくなり、転売するメリットが薄くなる。価格面から不正転売を抑止する試みだ。

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