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» 2019年12月10日 07時00分 公開

LINEの中高生相談、半年で2120件 「身近な先生より顔の見えない相手に頼る心理は心配」との指摘も

東京都教育委員会が、都内の中高生を対象にLINEを使って教育相談を受け付けたところ、半年で2120件の相談が寄せられた。教育現場でもスマートフォンの活用が進むが、SNSの利用で誘拐事件に巻き込まれるケースも増えており、心配する声もある。

[産経新聞]
産経新聞

 東京都内の中学生や高校生を対象に無料通信アプリ「LINE」を使って教育相談をしたところ、2019年4月〜9月で相談件数が計2120件に上ったことを、都教育委員会が発表した。大多数の中高生がLINEなど会員制交流サイト(SNS)を利用する時代。教育相談でも、多くの自治体が活用するようになっている一方で、「子供たちが、学校の先生より顔の見えない相手とのやりとりに頼る傾向は心配だ」との指摘もある。

photo ラインのロゴマーク

 都教委のLINEを使った教育相談は今年度から正式に始まり、帰宅後の夜間に利用が多いと見込まれたことから、土日を含め、午後5時から10時まで受け付けている。対象は都内の中高生約64万人。心理カウンセラーなどが相談に応じている。

 寄せられた教育相談は1日平均11.6件。最も多く寄せられた時期は4月の第2週(199件)で、8月第4週(151件)と9月第1週(108件)なども多く、年度初めや夏休み明けの相談件数が伸びるという結果だった。

 相談内容は、最も多いのが友人関係(533件)で、学業不振(121件)▽家族関係(116件)▽心身の健康(104件)▽男女関係(88件)−などが続いた。

 LINEは多くの中高生がスマートフォンで利用し、学校の保護者連絡でも使われるケースが増加。不登校やひきこもりの子供の家庭や学校訪問などに取り組む開善塾教育相談研究所の藤崎育子所長は「教育でも、こうした“道具”をうまく使っていかなければならない時代」と話す。

 ただ、最近ではLINEで、未成年が会ったこともない相手に誘い出される誘拐事件も起きており、子供のSNSの利用の仕方は社会的議論にもなっている。藤崎所長は「学校の先生よりも、顔も見えない相手の方が相談しやすいという子供たちの心理は心配。本来は学校の先生たちが子供にもっと近づかなければならないし、社会全体で考えるべき問題だ」と話す。

 SNSでの教育相談について、都教委は「SNSでの丁寧なやりとりを通して、身近な大人や外部の相談窓口に直接相談するよう促し、具体的支援につなげることが必要」と受け止めている。

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