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» 2019年12月12日 07時00分 公開

黒電話のコードを作っていた中小企業がキャビア生産で成功 需要が減る前に新規事業に着手 (1/2)

黒電話のコードを作っていた金子コードは、新規事業としてキャビアの生産を行い、ミシュラン掲載店にも採用されるまでになった。技術の発展でコードレス化が進み、倒産間近まで追い込まれても回復できたのは、軌道に乗るのに10年掛かる事業への挑戦だった。

[産経新聞]
産経新聞

 東京下町の中小メーカーが生産した高級食材、キャビアの味が、英国王室を射止めた。全くの畑違いに挑み成功をつかんだのは、1932年創業の金子コード(東京都大田区)。3代目社長の金子智樹氏が「従来技術の延長線上になく、軌道に乗るまで最低10年掛かる事業」という条件で探し出したのがキャビアだった。「もうかっている事業もいずれ廃れる。その前に次の柱を作る」という同社のDNAが、新規事業の創出を駆り立てた。

photo 「ハルキャビア」を持つ金子コードの金子智樹社長

 2019年6月に英国で開かれたポロの世界大会「ザ・ロイヤルウィンザー・カップ」。60年以上の歴史をもつ大会中に開かれた主賓席の昼食会で、同社のキャビアがエリザベス女王をはじめ英国王室が招待した世界の著名人に献上された。

 同社は14年12月、日本一きれいな水を求めてたどり着いた天竜川上流の浜松市春野町で、チョウザメの養殖を開始。今では約2万尾が大きな水槽の中で泳いでおり、大きくなったチョウザメの卵を塩漬けしたキャビアを「HAL(ハル)キャビア」のブランドで17年11月から出荷している。

 キャビアは高級食材として人気だが、国内に多く流通する輸入品は長持ちさせるため塩を多く加え、保存料を添加して熱処理も施す。ハルキャビアは新鮮なため熱処理を行わず、保存料も一切使用しない。塩も最低限に抑えるため、「キャビア本来の味がする」と評判になり、ミシュラン掲載店にも提供している。

 金子社長は「生産が追い付かない状態。日本で結果を出してから、世界ナンバーワンブランドを目指す。『キャビアのフェラーリ』と言われたい」と意気込む。

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