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» 2019年12月18日 07時00分 公開

講師もシニアのスマホ体験会 同年代の指導で安心感

高齢者向けのスマートフォンを開発する富士通コネクテッドテクノロジーズは、高齢者が講師を務めるシニア向けスマートフォン体験会を開いた。開催のきっかけは参加者の「年齢の近い人に教えてほしい」という声だった。

[産経新聞]
産経新聞

 足が悪く外出がままならないような場合でも、会員制交流サイト(SNS)などで外部と積極的に交流する人は、要介護状態になる率や死亡率が低いとのデータがある。高齢者にとってその後押しのツールとなるのがスマートフォンだが、使い方が難しそうとの理由からフィーチャーフォン(ガラケー)から乗り換えない人も多い。そんな人たちにも抵抗なくスマホを体験してもらおうと、講師もシニアという体験会が開かれており、「安心できる」と好評だ。(山本雅人)

photo らくらくスマートフォン体験会で画面操作を教える永福秀明さん(左)=東京都町田市のドコモショップ町田店

抵抗感を排除

 東京都町田市のドコモショップ町田店。店内では「らくらくスマートフォン体験会」が開かれ、講師の永福秀明さん(66)が、電話の掛け方やメールの送受信を受講者と一緒に行いながら、「2つ折りのケータイと操作方法が似てるでしょう」と声を掛けた。スタート時は緊張ぎみだった受講者の70代女性は「かなり似てますね。ほっとしました」と答え、その後、音声入力による検索や計算、さらに、センサー部分に指先を当てて血管年齢測定する、らくらくスマホに搭載されている機能なども体験。それらもスムーズにできたことに、この女性は感動した様子だった。

 らくらくスマホは、フィーチャーフォンのようにボタンを押すような感覚で入力でき、画面や文字のサイズも大きくするなど、初心者に使いやすいよう工夫されている。それでも一定割合の高齢者にとってはハードルが高いようで、永福さんによると、「そもそもスマホはケータイとどう違うかについてきちんと説明してほしいと思っているし、アプリやダウンロードの用語が分からない人も多い」と話す。体験会で永福さんは「スマホとは電話がかけられるPCと理解してもらえれば」と伝えていた。

 体験会を定期的に開催しているのは、らくらくスマホなどの端末の開発・製造や、シニア向けSNSサービスを提供している富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT、神奈川県大和市)。シニア講師が登場したのは10月からで、同社の荻野善直教室推進室長は「これまでの参加者から『年齢の近い人に教えてほしい』との声が出たのがきっかけ」と語る。

 同社では全国の市区町村単位に置かれているシルバー人材センターを活用。まずセンターの会員向けに体験会を実施し、希望者に対し講師として必要な知識の講義、さらには会員が講師役となっての実習やドコモショップでの接客などの説明を行う。

 永福さんは広告会社を定年退職した後、町田市シルバー人材センターの会員となり、これまでもセンターのPC教室の講師などを務めてきた。「同世代の講師ならば、ていねいに教えてくれると思って来る人が多い」とし、「経験も踏まえ、シニア層が分かる言葉や言い回しを使うよう心掛けている」と話す。

新たな就業領域へ

 シルバー人材センターというと、駅周辺での自転車の整理といったイメージを持つ人も多い中、社会の進化に合わせた新たな領域の仕事を受注できることを歓迎している。同社はこれまでに、全国の約50のセンターでシニア講師の養成のプログラムを行い、町田市を含む約15のセンターと業務契約を締結、残りのセンターとも契約に向け話が進んでいる。

 シニア講師の採用は同社にとっても、社会貢献だけでないメリットがある。

 「これまでも体験会に参加した人の購入率は約6割に上る」(荻野室長)といい、シニア講師の分かりやすい説明でさらに購入率が上がる可能性がある。「体験会の受講者、講師、私たちと3者にメリットがあり、今後も全国で広げていければ」という。

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