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» 2019年12月20日 07時00分 公開

電力使用量のビッグデータ活用、新ビジネスに期待 一方でセキュリティやプライバシーに課題も (1/2)

スマートメーターで集めた情報をビッグデータとして企業や自治体が活用できるようにする仕組みの整備が進んでいる。さまざまな活用が期待できる一方で、セキュリティやプライバシーへの配慮も求められている。

[産経新聞]
産経新聞

 電気の利用者と電力会社との間での双方向の通信ができる、次世代電力計「スマートメーター」。ここに集まったさまざまな情報をビッグデータとして企業や自治体が活用し、新規ビジネスや防災などに役立てる仕組みが急ピッチで進んでいる。特に、家庭における電力の利用状況が詳細に得られることで、これまで把握することができなかった家庭での生活パターンなどを把握でき、新しいサービスや事業開拓につながっている。その利便さの一方で、プライバシーやセキュリティの在り方が問われ、その対応も求められている。

photo スマートメーター第1号を設置する東京電力グループの従業員=2014年4月、東京都小平市(東京電力提供)

 スマートメーターはデジタル式で、30分ごとの電気使用量を計測する機能を備えている。従来のアナログ式のメーターでは月に1度、検針員が直接電力使用量を読み取る必要があったが、それらのデータを通信で収集できることから、検針作業を不要にし、人手不足対策にもつながる。

 さらに、IT技術を使って自宅内のさまざまな機器をネットワークでつなげて一般家庭のエネルギー管理を行う宅内制御装置「HEMS(ヘムス)」を通じれば、家庭内の電気機器それぞれの使用状況も「見える化」できる。加えて、電気だけでなくガス、水道の情報のデータを、スマートメーターの通信にのせることを可能にする実証実験や取り組みも始まっている。

 2019年度末時点では、家庭向けなどの約6割がスマートメーターに切り替わっている。2024年度末までに大手電力10社全てで、スマートメーターの導入が完了する予定だ。

 ここで得られるデータは有用だ。特にセンサーを追加すれば、機器の周波数などから、使用しているのが炊飯器なのか、ドライヤーなのか、テレビなのかも分かるようになる。端的に言えば、家電やガス、水道、そして機器の使用状況を通じて、人がどのような行動をとっているかを把握できる。まさに、生活パターンの見える化が可能になる。

 電力会社が提供できるサービスとしては、時間ごとの電力の使用状況に応じて、お得になる料金メニューを提案できる。機器が正常に動いているかや、消耗度合いを測定し、故障発生のタイミングを予測することもできる。9月の台風15号などの際には、高圧線は復旧しているが、低圧線や家庭への引き込み線に障害があるため、停電になっていることを電力会社が認識できない「隠れ停電」の検出にスマートメーターが役立った。

 今後、注目を集めるのが、電力会社以外の業界が、生活パターンが見えるデータを活用することだ。

 現在の電気事業法では、電力会社以外の使用は認められていない。しかし、ビッグデータの活用を成長戦略に盛り込む政府としては、規制をなくしていきたいところ。そこで、経済産業省の有識者による議論が進んでいる。

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