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» 2019年12月24日 07時00分 公開

農業のスマート化で初心者でも特等米 ITとロボット導入から1年で急成長 (1/2)

日本の農業は高齢化や労働力不足など課題を抱えているが、ICT機器とロボットの導入により作業をスマート化。1年で作物の品質を上げる例もあり、農業の発展に期待が高まる。

[産経新聞]
産経新聞

 担い手の高齢化や労働力不足に悩む日本の農業の課題解決に向け、ICT(情報通信技術)やロボット技術を使ったスマート農業の導入が加速している。リモコン一つで農機を遠隔操作、熟練農家の経験と勘を目に見えるデータに落とし込む――。誰もが高品質な作物を生産できる農業の時代はすぐそこまできているのかもしれない。(田村慶子)

photo 技術革新が進むスマート農業

 兵庫県北部の養父市、山間部に急斜面の棚田が広がる能座地区は、65歳以上人口が57.65%と高齢化、過疎化が急速に進む集落だ。日本の農業の課題を抱え込んだようなこの土地で、先進技術を活用した農業を目指して農林水産省が採択した「スマート農業実証プロジェクト」が4月から進んでいる。

 「ハンドル操作の難しいぬかるんだ所も驚くほど真っすぐ進む」

 同地区で酒米を作る「アムナック」の社員、大内良平さん(45)が驚くのはクボタが開発した無人運転のロボットトラクター。準天頂衛星「みちびき」による高精度の位置情報を生かして誤差数センチ以内でルートを正確に耕していく。

 また、人力で行えば半日以上掛かる草刈りも、ラジコン操作によってわずか44分で済ませている。作業データはクラウド上で一括管理、手間取った作業とその解決法を“見える化”することで誰もがどこでもその経験を次に生かすことができるという。

全国モデルに

 アムナックは兵庫県三木市に本社を置く建設会社の農業事業を行う子会社として2015年に設立。19年4月からは京都大学やクボタ子会社、ソフトバンクなどと作る共同事業体で、スマート農業の技術開発のために角度30度超の、全国有数のきつい傾斜を持つ養父市能座地区の棚田11ヘクタールで稲作に挑んでいる。

photo クボタのアシストスーツ「WIN−1」(クボタ提供)

 「初心者でも特等米が収穫できました」と笑みをこぼしたのは藤田彰社長(77)だ。醸造用玄米の品質を表す基準は3等から特上まで5段階あるが、この地区で収穫される玄米は過去30年間1等米のみだった。ところが藤田さんたちはスマート農業の実証プロジェクトを始めてたった1年で特等米と評価される米を育てた。スマート農業の実践により、農業経験ゼロの社員2人で農地を管理することができた。

 農家などの平均経営耕地面積はこの20年で約1.6倍に拡大しており、国はスマート農業の活用による超省力、高品質生産の実現を後押しする。養父市のプロジェクトに参加する京都大学農学研究科の飯田訓久教授は「条件不利地の養父市でスマート農業が実現すれば、全国モデルとなる」と話す。

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