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» 2020年01月06日 07時00分 公開

路面電車に再評価の流れ クルマ社会からの脱却で (1/2)

環境や渋滞、事故、公共交通機関の必要性などの観点から、路面電車が再評価されている。マイカーの普及で一度は廃れたが、クルマ社会からの脱却で注目を集めている。

[産経新聞]
産経新聞

 路面電車が再評価されている。モータリゼーションで廃れていったが、近年、環境面や交通渋滞・事故、公共交通機関の必要性といった観点から、自動車社会からの脱却で注目を集めているのだ。

photo 岡山駅前に到着した岡山電気軌道「清輝橋線」の路面電車=12月24日、岡山市北区

市内を循環しない路線

 岡山市。JR岡山駅の東口を出て歩くこと180メートル。横断歩道を2回渡るか、地下道を通り抜けるかしてようやく、電停(路面電車停留場)の「岡山駅前」にたどり着く。

 市内の路面電車は同電停を起点に両備グループの岡山電気軌道(同市)が運行。清輝橋(せいきばし)線(2.1キロ)と東山線(3キロ)の2路線がある。

 このうち東山線は、駅を出ると東進し、岡山城のある「城下」を右折して南進。岡山最大の商店街・表町(おもてちょう)商店街の入り口となる「西大寺町」に着くと、そのまま循環せず東方向へ行ってしまう。ようするに中心市街地の半分しかカバーしていないのだ。岡山駅南方1キロの岡山市役所と西大寺町を結ぶ道路には、路面電車がない。

 この路面電車について、大幅な改良計画が進められている。2022年までに線路を延伸し、新しい電停を建設。駅前広場への乗り入れを行って駅からの利便性を高める。

photo 路面電車の奥に見えるのが、新電停が建設される予定の岡山駅前広場=12月24日、岡山市北区

 さらに市ではこれとは別に、大型量販店の進出で寂れる商店街の活性化などを目指し、将来的に路面電車を大幅に延伸・環状化する計画を進めている。

 路面電車の延伸・環状化の構想について、岡山市交通政策課の担当者は「計画はこれまでもあったが、本格的に検討を始めたのは14年から」と説明する。イオンが駅前に進出した年だ。

 これまでイオンは郊外型の進出が多かったが、市街地への進出により、表町商店街の客足が減少。「人の流れを表町に呼び込むことが喫緊の課題となった」(担当者)という。てこ入れ策として商店街南側に新たに市民会館を建設することが決まっているが、路面電車の延伸計画は、その新市民会館や表町商店街へ人を運ぶインフラとする構想だ。

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