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» 2020年01月14日 07時00分 公開

予備校や塾がAI教材を続々採用 一人一人にあったカリキュラムを自動生成 (1/2)

大学受験予備校や塾で、AIを活用した学習システムの導入が進んでいる。生徒一人一人にあった個別指導が求められる中、オーダーメイドの学習を実現する手助けとなるシステムとして注目が集まっている。

[産経新聞]
産経新聞

 大学受験予備校や塾などで、人工知能(AI)を活用して最適な学習を促すシステムが相次いでスタートした。少子化を背景に、より一人一人の生徒に合った個別指導をしてほしいという保護者からのニーズがある。関係者は「オーダーメイドの効率的な学習が可能になる」と口をそろえる。(加納裕子)

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基礎学力の定着

 大手予備校、河合塾は2019年12月10日から、スマートフォンやPCを使い、一人一人に最適な学習をAIが提案する「河合塾One(ワン)」を英語、数学で始めた。運営会社社長の信実(のぶざね)秀則さん(61)は「小中学生を対象に個別指導塾が人気を集め、高校生にも個別指導をしてほしいというニーズが増えてきた」と背景を話す。

 最初の問題は全員同じだが、レベルチェックテストの結果などからAIが個別に次の学習内容を提案。教材開発を担う同社取締役の畑秀史さん(54)は「この問題ができるならこの問題もできるはず、という確率推論データをもとに、一人一人の学習経路ができて、オーダーメイド型になっていく」と説明する。

 事前に数学の試行版を使用した高校生からは「自分にぴったりの学習を推薦してくれた」と驚きの声が上がったという。学習レベルはセンター試験に対応する基礎学力を定着させる内容。信実さんは「部活などで予備校に通えない生徒が、時間や場所の制約なく教育サービスを受けられる」と力を込める。

より高レベルに

 一方、より進んだ受験勉強への対応を目指すのが駿河台学園(駿台)だ。20年度から高卒クラスで、センター試験レベルに対応するタブレット型AI教材を組み込んだ新コースを新設。さらに21年4月を目標に、国公立大の二次試験レベルに対応したAI教材を開発中だ。駿台エドテック事業担当の小沢尚登さん(51)は「従来とは全く違った発想で、思考力を鍛えるためのAI教材になる」と説明する。

 大手予備校、東進は20年度から、志望校別講座へのAIの導入を始めた。運営する「ナガセ」広報部長の市村秀二さん(57)は「予備校に求められるのは志望校に合格する力。志望校に合わせて最大の時間効率で受験生を合格に近づける、これこそAIの出番ではないか」と話す。

 核となるのは、同校が10年以上前から蓄積しているデータだ。過去の受験生が約200億の問題を解いた結果と各大学への合格実績に加え、過去問など約10万題を単元やジャンル、レベル別に集積。これをもとに一人一人に最適な道筋を示す。19年度試験的に行ったところ、受講生はより高い合格率を示したという。市村さんは「AIによって、人の力ではできなかったことが可能になった」と実感している。

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