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» 2020年02月10日 07時00分 公開

AIで先天性心疾患診断、専門医よりも正確 三重大研究チーム

三重大の研究チームは、AIで患者の胸部エックス線写真から先天性心疾患の重症度を判断する手法を開発した。専門医より高精度で判断でき、患者への負担を減らせるという。

[産経新聞]
産経新聞

 三重大の研究チームは、生まれつき心臓に異常がある先天性心疾患の患者の胸部エックス線写真から、人工知能(AI)で重症度を判断する手法を開発したと発表した。専門医の判断より精度が高く、患者への負担が大きい心臓カテーテル検査をしなくても正確に評価できるという。研究チームは数年後に実用化させたいとしている。

 心臓は全身から戻ってきた血液を肺に送り、肺で酸素を取り込んだ血液を全身に送り出すポンプの役割を果たしている。

 チームによると、先天性心疾患は新生児100人に1人の割合で生まれる。このうち心臓の左右を隔てる壁に穴が開くなどの異常がある心房・心室中隔欠損症は、肺に送る血液の量と全身に送る量のバランスが崩れる。両者の差が大きいほど重症とされ、専門医がエックス線写真を見て大まかな血流量を推測し重症度を判断した後、重症者にはカテーテル検査をして正確に判定する必要がある。

 チームは今回、三重大病院が保有する931人のエックス線写真とカテーテル検査の結果をAIに学習させた後、別の100人のエックス線写真を用い、AIと専門医の判断を比較した。その結果、AIが導き出した血流量とカテーテル検査の結果を照らし合わせた判断は64人分が正しかった。一方、専門医のエックス線写真の判読判断は49人分しか正解しなかった。

 チームの高尾仁二・三重大大学院教授(胸部心臓血管外科)は「エックス線写真の判読で判断するのは経験値が必要だが、AIはそれ以上の精度で症状を判断できる。これにより専門医ではない医師でも流用でき、カテーテル検査などの患者負担の軽減につながる」と話した。

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