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» 2020年02月18日 07時00分 公開

AIが政策立案、長野県が実験 問われる説明責任 (1/2)

長野県は全国で初めて、政策立案にAIを導入する試みに乗り出している。実際の政治提言自体は人間が行うが、説明責任は誰が果たすのか、行政の信頼性が下がるのではないかなど、さまざまな課題が山積みだ。

[産経新聞]
産経新聞

 人口や産業などの行政データを有効に活用し政策効果を高めるため、長野県が全国の自治体では初めて、政策立案に人工知能(AI)を導入する試みに乗り出している。証拠に基づく政策立案(EBPM)が重視される時代になってきたためだ。ただ、判断を導き出した過程が不透明なAIでは説明責任を果たせず、行政の信頼性を確保できない可能性もある。行政とAIの共生は図れるのか――。

photo 長野県総合5カ年計画からキーワードを抽出し、因果関係を付与する県職員ら。この後、全ての因果関係に係数を設けた。AIに分析させるデータづくりは、「人間」が手掛けた=県庁、2018年9月(県提供)

過去を引きずる

 県がAIによる政策立案の研究に乗り出したのは、京都大学と日立製作所が開設した「日立未来課題探索共同研究部門」(日立京大ラボ)が17年、AIによる政策提言を実施したのに関心を持ち、県側から同ラボに持ち掛けたのがきっかけだ。

 阿部守一知事は、政策立案にAIを関与させる意義について「人間の思考はどうしても過去を引きずっている。AIは情緒的ではなく機械的にやる。新しい可能性は、AIと人間が共同作業するところにある」と語る。

 シミュレーションでは、2040年を視野に、持続可能な社会を実現する政策の方向性などをテーマとした。AIが判断材料にするデータは、若手県職員らが、県の総合5カ年計画(18〜22年)から人口や観光客数、県内総生産などのキーワードを抽出し因果関係を付与。そのうえで、原因により結果が発生する可能性の強さなど、全ての因果関係に係数を設け、データとした。

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