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» 2020年02月20日 11時06分 公開

政務活動費“透明度最下位”の埼玉県 領収書などをネット公開へ

政務活動費の公開度ランキングで最下位になったこともある埼玉県は、2020年度支給分から領収書などをインターネット上で公開する方針を決めた。野党系の一部会派は今後も公開範囲の拡大を目指す。

[産経新聞]
産経新聞

 政務活動費の領収書などをインターネットで公表することの可否を議論してきた埼玉県議会の検討会が、2020年度支給分から公開に踏み切ることを全会一致で決めた。議員による領収書偽造などが世論の批判にさらされ、公開に否定的だった自民党系会派が積極姿勢に傾いた。埼玉県議会は市民団体による政務活動費公開度ランキングで最下位になったこともあり、「汚名返上」につなげられるかに注目が集まる。

 公開の対象になるのは、政務活動費の収支報告書や領収書の写しなど。県議会事務局によると、全国では19年度までに少なくとも18都府県の議会が政務活動費をネットで公開している。

 埼玉県議会ではかつて、最大会派の自民党議員団内でネット公開に消極的な意見が根強かった。

 潮目を変えたのは、17年に発覚した政務活動費不正受給問題だ。自民党議員団に所属していた県議が領収書を偽造、約545万円を受け取っていたことが明らかになり、この県議は議員辞職した。他県の議会で不正受給が相次いで問題になったことも手伝い、自民党議員団内でも公開推進の機運が高まった。

 検討会会長で、自民党議員団団長でもある小島信昭県議は「県議会の透明性を高めるため、団内からもネットで公開すべきだとの意見が上がっており、公開に異論はなかった」と説明する。

 ネット公開を求め続けてきた「埼玉市民オンブズマン・ネットワーク」の田中寿夫代表幹事は「県議会の情報公開度は低迷し続けていた。ネット公開は、改善に向けた動きとして一定の評価をできる」と話した。

 もっとも、今回のネット公開では、政務活動費の具体的な用途を示す会計帳簿までは対象にならない。野党系の一部会派は公開範囲のさらなる拡大を目指しており、今後も会派間のつばぜり合いが続きそうだ。(竹之内秀介)


政務活動費 地方議員の調査研究や研修、広報などの経費として、議員報酬とは別に会派や議員に支給される。2000年に「政務調査費」として導入され、12年の地方自治法改正で名称が変わった。交付の額や方法は議会によって異なり、埼玉県議会では議員1人当たり月50万円が支給される。

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