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» 2020年03月12日 07時00分 公開

痴漢をスマホアプリで通報、被害者考案の防止グッズも 捕まえる以前に抑止が重要 (1/2)

JR東日本は2月、スマホから痴漢を通報できるアプリの実証実験を行っている。被害者考案の痴漢防止グッズなど、被害者視点のアイデアや取り組みが広がりつつある。痴漢を捕まえる以前に、被害を抑止できるような空気作りも重要だ。

[産経新聞]
産経新聞

 恐怖や羞恥心で声を上げられない被害者の弱みにつけこむ卑劣な痴漢行為。その約7割は、電車内や駅構内で起きているとされる。「負担を感じずに痴漢被害を伝えられないか」。そんな発想のもと、JR東日本が2月、スマートフォンの専用アプリで被害を通報する実証実験を始めた。被害者側の視点から痴漢を防ぐアイデアや取り組みが広がりつつある。(松崎翼)

photo JR東日本が開発したアプリ。スマートフォンを使って車掌に痴漢被害を知らせることができる(JR東日本提供)

アプリで通報、車内放送

 「最初は電車の揺れに合わせるように触り、徐々にエスカレートしていく。声を上げられるのは10人に1人くらいだ」

 痴漢撲滅に取り組む一般社団法人「痴漢抑止活動センター」の松永弥生代表理事(54)は指摘する。混雑した車内では体が密着せざるを得ないなど、痴漢か否かの線引きが難しいケースもあり、被害を受けても泣き寝入りしてしまうケースは多い。

 こうした中、JR東は2月下旬から被害の多い埼京線(大宮−新宿間)で、痴漢を通報する専用アプリの実証実験を始めた。アプリで被害を報告すると車掌がタブレット端末で確認し、「○号車のお客さまより、痴漢の通報がありました」などと車内放送する。

 痴漢の発生をリアルタイムで乗客全員に知らせることにより、抑止効果が狙えるとみている。スマホの操作は目立つこともなく、被害者が躊躇(ちゅうちょ)なく通報できるというメリットもある。

 JR東は列車内などを中心に防犯カメラを拡充し、専門部署で集中監視。テロなどを含めた非常時には画像を警察に伝送するシステムを導入するなど、安全や安心の確保を急いでいる。

 警視庁生活安全特別捜査隊の斎藤ひとみ隊長も「痴漢は被害者にとって大きなストレス。鉄道事業者ともさらに連携を深め、被害を減らしたい」と力を込める。

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