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» 2020年04月07日 07時00分 公開

188カ国で学校閉鎖 オンライン学習に課題、「試験ができない」「成績が付けにくい」 (1/3)

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界188カ国で全国的な学校閉鎖が行われている。インターネットを使った授業が広く行われている国もあるが、「試験ができない」「成績が付けにくい」などさまざまな課題がある。

[産経新聞]
産経新聞

 国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部パリ)によると、新型コロナウイルスの感染拡大で、日本を含む世界188カ国が全国的な学校閉鎖を強いられ、児童・生徒約15億4千万人が影響を受けている。こうした国々では、学校へ行けない子どものためにインターネットを使った授業が広く行われているが、PCの普及など課題もある。進学のための受験の機会をどう確保するかも対策を求められている。(ニューヨーク 上塚真由、パリ 三井美奈、ロンドン 板東和正)

photo 米西部ワシントン州ウッディンビルの自宅で、祖母とともにオンライン学習システムの操作に取り組む小学4年生の男児(ロイター)

 新型コロナの感染拡大で、大半の州で休校措置が取られている米国。教育現場では、オンライン授業への切り替えが本格化しているが、前例のない取り組みに保護者や教師も手探り状態だ。

 ニューヨーク市郊外のウエストチェスター郡に住む小学3年生の児童(9)の1日は、午前9時に学習管理サービス「Google・Classroom」にログインし、出席を知らせることから始まる。同サービスでは教師がオンライン上にグループを作り、学習素材を提供したり、児童とメッセージをやりとりしたりすることができる。

 担任の先生から1日の授業の課題リストが届き、科目は算数、英語、体育、音楽、美術などさまざまだ。体育や音楽などはYouTubeにあるビデオを教材として多く利用。美術の授業では先生自らが絵を描いている動画を児童に送り、「一緒に絵を描いてみよう」と呼びかけている。

 オンライン授業は午前中までとなっているが、課題が多く、午後3時ごろまでかかる日もあるという。

 中高生の場合は、ビデオ会議システムを活用し、オンラインを通じた「対面」での授業が増えることも特徴だ。リモート学習が始まって2週間がたち、保護者の日本人女性(37)は「子どもは最初、目新しさもあって楽しみながらやっていたが、だんだんと集中力を維持するのが大変になっている」と話した。

 ニューヨーク州では3月16日に公立学校の一斉休校を決め、同23日までに準備が整った学校からオンライン授業を始めている。課題となっているのは教育格差の解消だ。

 100万人以上の児童、生徒が通うニューヨーク市では、PCを持っていない生徒らに機材を配布することを決定。市教育長によると、家庭に電子機器がなくインターネットにアクセスできない子どもらは約30万人に上り、1日にあたり2万5千台のPCを提供する準備に追われた。また、市内の7割以上の児童・生徒が貧困層で、休校期間中も公立学校では朝食、昼食を無料で提供している。

 休校によるオンライン授業が長引き、教育者も頭を抱える。ニューヨーク市立大学(CUNY)で生物学を教える教授(50)は「授業中にはインターネットの接続不良も発生する。成績の評価をどのようにつけたらよいのか悩ましい」と話す。同大の一部授業では3月にオンラインでの試験が行われたが、「ビデオ会議システムでは学生の顔しか映らないので、カンニング行為を見つけるのは難しい」と教授側から指摘する声が上がっているという。

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