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» 2020年04月17日 07時00分 公開

今こそ”ドライブインシアター” クルマに乗ったまま安全に映画体験

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、映画館が営業できない状態が続いている。そんな中、駐車場に設置した大型スクリーンを使ってクルマに乗ったまま映画を観賞する「ドライブインシアター」が脚光を浴びている。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言で、対象地域では基本的に映画館が営業されていない。そんな中、駐車場に設置された大型スクリーンとカーステレオのFMラジオを使い、乗車したまま映画を観賞する「ドライブインシアター」が日本国内をはじめ、海外でも脚光を浴びている。(水沼啓子)

 ドライブインシアターはもともと、米国の車社会で始まり、日本でも1990年代に人気を集めた。その後、シネマコンプレックス(シネコン、複合映画館)などの普及で2010年ごろまでにほとんどが閉鎖し、現在、都市部周辺で常設しているドライブインシアターはほぼないという。

 6年ほど前から、ドライブインシアターの復活を目指して活動を続けるシアタープロデュースチーム「Do it Theater」(運営・ハッチ)では5月以降に神奈川・大磯ロングビーチ第1駐車場でドライブインシアターを実施する予定だ。

 「不特定多数の人との接触を避けることができ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちながら安全に映画体験を共有できる」としている。今後、医療の観点からの監修、アドバイスを踏まえ企画を具体化していく。

 また、同チームではドライブインシアターの開催などを目的に「ドライブインシアター2020」プロジェクトのクラウドファンディングも開始した。クラウドファンディング・プラットフォーム「MOTION GALLERY」で現在、支援を募っている。

 一方、19年設立された「ドライブインシアターをつくる会」(柿沼節也代表)では、外出自粛ムードが漂う20年3月の連休中、埼玉・川越の「オフロードビレッジ」でドライブインシアターのイベントを開催。SF映画「ゼイリブ」などが上映された。

 柿沼代表によると、新型コロナウイルスの感染拡大が起きる前に実施されたときよりも、来場者数は3倍ほどに伸び、遠方から訪れる若い層が増えたという。よく知らない人たちとの「3密(密閉、密集、密接)」を避けられることが、観客増に結び付いたのではないかと分析した。

 ただ、ドライブインシアターにも留意点がある。1台に大勢が相乗りした場合やトイレを利用する際に「3密」状態になる可能性がある。また常設ではないドライブインシアターの場合、「なかなか新作を上映するのは難しい」(柿沼代表)としている。

 日本以上に外出制限が厳しい海外でも、ドライブインシアターは安全に映画を観賞できる方法として再認識されている。特に子ども連れのファミリー層に人気になっているという。

 米国では、トランプ大統領が新型コロナ感染拡大防止のため「10人以上の集まり自粛」などの行動指針を発表しているが、その基準が曖昧となるドライブインシアターに注目が集まっている。外出禁止令が出ていない州などでは、利用者も増えているようだ。

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