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» 2020年04月20日 07時00分 公開

新型コロナで利用者爆増 クラウド手掛ける巨大ITの市場支配強まる (1/2)

新型コロナウイルスの感染拡大によりクラウドサービスの利用者が急増し、米Amazonや米Microsoftといった巨大IT企業の存在感が高まっている。感染症をきっかけにライバル関係を超えた協業も起き、新規顧客の獲得をにらんだサービスの拡充が進んでいる。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大との戦いで、米Amazonや米Microsoftなど巨大IT企業の存在感が高まっている。人との接触を避けられる各社のネットサービスの利用が急増、ライバル関係を越えた“ITドリームチーム”も結成し、ワクチン開発に向けた迅速なデータ解析も支援する。パンデミック(世界的大流行)を機に拡大するサービス利用の波は、巨大ITの市場支配力を強めそうだ。

 米政府は3月、新型コロナの治療薬やワクチンの開発を促進するため、米国が持つスーパーコンピュータの計算力を世界中の研究者に開放する産学官連携のプロジェクト「COVID-19 ハイパフォーマンス・コンピューティングコンソーシアム」を発足。ここに日頃、激しい顧客争奪戦を演じているAmazon、米Google、Microsoft、そしてスパコンの老舗米IBMというIT業界の巨人がそろい踏みした。

 各社が提供する計算能力の合計は330ペタフロップス(1ペタフロップスは毎秒1000兆回の演算)以上。日本の理化学研究所が誇ったスパコン「京」の33倍というとてつもない性能だ。その実力の例を挙げると、中核を担う世界最速のIBM製スパコン「サミット」は、8000種類の化合物から新型コロナの治療薬開発に役立つ物質を見つけ出す、普通なら数カ月はかかる膨大な解析をわずか1〜2日で終えたという。

 このプロジェクトが実現できるのは「クラウド」と呼ばれるネットサービスのインフラがあるからだ。

 身近なイメージでいえば、不特定多数と楽しめるオンラインゲームや動画共有などの環境だ。利用者が特別なシステムを整える必要はなく、インターネットにつながる端末環境があれば、水道の蛇口をひねるような手軽さで、ビデオ会議やデータ管理、人工知能(AI)など、さまざまなITサービスの提供を使いたい分の料金で受けられる仕組みだ。

 クラウドのサービスは既に多くの企業や個人が使っているが、新型コロナの感染拡大を受けて3月は利用が爆発的に増えている。ビデオ会議などに使われる代表的なサービスでは、マイクロソフトの「Teams」の月間利用者がイタリアで775%増、グーグルの「Hangouts Meet」の1日の世界の使用量は1月に比べ25倍という状況だ。

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