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» 2020年05月07日 07時00分 公開

家庭用プリンターでオタク応援 キヤノンの「おうちでつくる同人誌」が好評 (1/2)

新型コロナウイルス感染症の影響で同人誌即売会が中止になる中、キヤノンやセイコーエプソンが同人作家を支援する動きを見せている。デジタル化が進む中、出荷台数が減るプリンタ市場だが、外出自粛の影響で販売が伸びる可能性もあり、同人市場には各社が関心を寄せている。

[産経新聞]
産経新聞

 「イベントに参加できるのはまだ先になりそうですが、何か創作したいな〜という気持ちがあります」

photo キヤノンの「おうちでつくる同人誌」プロジェクトについて説明するインクジェット事業本部の藤長誠也さん(右)と鈴木千秋さん=東京都大田区のキヤノン本社(桑原雄尚撮影)

 4月上旬、新型コロナウイルス感染拡大の影響で「コミックマーケット」など同人誌即売会が相次いで中止になる中、キヤノンの公式Twitterアカウントの一つ「おうちでつくる同人誌」はこう書き込み、発表の場を奪われた「同人作家」たちの心情を代弁した。同アカウントは同人作家の間では知る人ぞ知る存在で、現在約7000のフォロワーがいる。

 「おうちでつくる同人誌」は、キヤノンの家庭用インクジェットプリンタを活用して自宅で同人誌を作れるサービスを提供するプロジェクトだ。同人作家として実際に活動する社員を中心に2017年に社内公認のプロジェクトとして立ち上がり、18年2月に公式サイトを開設。キヤノンのプリンタで同人誌を手軽に印刷できるソフトや、即売会で使用するポスターや値札などのひな型を無料で公開しているほか、Twitterの公式アカウントで同人誌作成の便利な情報などの発信も随時行っている。

 冊子に割り付けやすくするために元原稿を拡大・縮小する印刷ソフトの機能など、同人作家である社員自らが作業をする中で必要と考えた“かゆいところに手が届く”サービスが多い。 キヤノンのプロジェクトのメンバーには、同人誌をつくっている人もいる。立ち上げを主導したインクジェット事業本部の藤長誠也さんは「もともとここに市場があるから始めたのではない。同人誌の作成に困っている作家たちを、自社の技術で応援したいという思いで始まった」と振り返る。

 ただ、社内プロジェクトとするには上層部の理解も必要だった。熱狂的な「オタク」が存在する国内の同人誌市場は安定的に数百億円規模で推移しているとされ、藤長さんらは「デジタル化が進んでも紙の残る市場だ」などと家庭用プリンタの活用先として経営上の意義をアピールし、承諾を取り付けた。その狙いは徐々に当たり始め、19年末に推奨のプリンタや用紙などをセットにした「同人作家応援セット」を同社のオンラインショップで販売したところ、「想像以上に好評だった」(プロジェクトメンバーの鈴木千秋さん)という。

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