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» 2020年05月12日 10時00分 公開

オンライン診療、PC使わなくて大丈夫 情報機器が苦手なら電話で受診を

新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、特例的にオンライン診療が初診からでも行えるようになっている。一方、「オンライン」という言葉から、情報機器が苦手な人や高齢者など、抵抗感を持つ人もいる。その場合は電話機を使って受診する方法が有効だ。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、医療機関の「オンライン診療」が特例的に認められる中、高齢者への浸透が課題となっている。「オンライン」という言葉から、PCやスマートフォンを連想し、抵抗感を抱く高齢者がいるためだ。実際には電話での診察も行われおり、薬は薬局から自宅に配送してもらえるサービスもある。厚生労働省は「重症化のリスクが高い高齢者にも活用してもらいたい」と呼びかけている。

photo 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について(トップページ)

待合室での感染防止

 厚労省は感染拡大防止の特例的対応として、オンライン診療の利用条件を緩和。初診からスマートフォンの画面などを通じて、遠隔の患者を診察することが可能となった。

 対面診療に比べると医師が得られる情報は限られ、誤診の恐れもある。感染が収束するまでの時限措置だが、オンライン診療が活用されることで、医療機関の待合室での感染や、医療従事者が感染する事態を防ぐことが期待されている。

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 ただ、高齢者の中には情報通信機器を敬遠する人もいる。狭心症の持病がある都内の主婦(66)は「PCやスマホは苦手。感染は怖いけど、病院は近所だから行った方が早い」と、月に一度の通院を続けている。

 実際の医療現場では、高齢者も使い慣れた「電話」で受診することも可能だ。

 東京都中央区の内科「真山クリニック」では、3月下旬から電話での診察を始めた。症状によって対面での診察が必要な場合もあるが、1日10〜15件、医師が電話で患者の状態を聞きとっている。

 処方箋の扱いも柔軟に対応。医師が患者の利用する近所の薬局に持参したり、遠方の患者なら、自宅に郵送したりするケースもある。「会計は次に来院した際に支払ってもらう」という。

 薬局も態勢を整えている。大手調剤薬局「日本調剤」では、医療機関から処方箋を受け取ると、電話などで患者に服薬指導を実施。薬を患者宅まで配送するサービスもある。

 同社担当者は「4月の緊急事態宣言以降、電話やオンラインによる服薬指導は倍増している」と話す。

 厚労省はオンライン診療について「高額な機器や難しいシステムは不要」と強調。「高齢者は基礎疾患を有している場合も多い。自宅から受診できる仕組みを活用してもらいたい」としている。

病状経過の記録を

 オンライン診療を受けるにあたり、患者はどのような準備や心構えが必要か。聖カタリナ病院(東京都中央区)の総合内科専門医、小林大輝氏に話を聞いた。

−− 患者が診察前に準備することは

 「発熱やせきなどがいつからか、病状の経過を記録しておいてほしい。そのためにも普段から体温を測るなど、自身の健康観察をしておくことが有効だ。また脳梗塞や心疾患、がん治療で免疫抑制剤を使っているなど、病歴については詳しく医師に伝えてほしい」

−− 新型コロナが疑われるときは

 「医師は濃厚接触の可能性の有無を知りたい。正確な行動歴が医師の判断を大きく変えることもある。詳細に思い出してほしい」

−− 電話やオンライン診療を受ける際の注意点は

 「対面診療と異なり、電話だと、患者の顔の表情や体の様子が分からない。血圧や血中酸素飽和度などのデータも得られない。医師が必要と判断したときは、必ず医療機関に足を運んでほしい」

−− 「オンライン」という言葉に高齢者が二の足を踏むことも考えられる

 「迷ったらまず、かかりつけ医に電話してほしい」

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