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» 2020年06月02日 07時00分 公開

男子ハンドボールチーム、IT活用で業界に新風 プレー分析や子供向け教室でプログラミングも

今季から男子の日本ハンドボールリーグに加入するジークスター東京は、ITを駆使して低迷するハンド界に新しい風を吹かせようとしている。将来的にはプレー映像の分析や、子供向けハンドボール教室でのプログラミング教育も行う考え。

[産経新聞]
産経新聞

 今季から男子の日本ハンドボールリーグに「ジークスター東京」(東京都品川区)が加入する。首都・東京を拠点とするチームの日本リーグ参戦は17シーズンぶりだ。期待と注目を集める同チームは、IT(情報技術)を駆使して低迷するハンド界に新しい風を吹かせようとしている。(宝田将志、写真も)

 チームの前身は2018年4月創部の東京トライスターズで、日本リーグ入りを機に現在の名称に変更した。「ジーク」とはドイツ語で「勝利」を意味する。

photo 日本ハンドボールリーグに新たに参戦するジークスター東京(チーム提供)

 横地康介監督が「ハンドボールをデータ化していく」と語るように、親会社ITコンサルティング「フューチャー」(同区)のグループ企業の協力を得て、試合における選手ごとの得点映像をまとめたり、走行距離を算出できたりするシステムを開発中という。データはチーム強化や相手チームの研究に生かす他、ファンクラブ会員も閲覧できる形にして新たな楽しみ方を提供していく考えだ。

 チーム運営会社の大賀智也社長は「日本には、このような取り組みをしているところがない。ハンドボール界のプラットフォームを作れれば、全体の底上げにつなげられるのでは」と意欲を見せる。

 主催する子供向けハンドボール教室も、プログラミング教育と組み合わせるなど工夫していく構想を持っている。ヨーロッパでは、キーボードが描かれた特別仕様の床上マットを使って、体を動かしながらプログラミングを学習する例があるという。

 新チームの船出に期待が膨らむ一方、肝心の強化の方は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、停滞を余儀なくされている。練習拠点のセガサミースポーツアリーナ(東京都江東区)では全体練習を行えず、大学生の公式戦が中止になったことでスカウト活動もままならない。今季の日本リーグは8月末開幕の予定だが、そもそも試合を始められるか不透明だ。

 東京を本拠地とする特有の課題もある。21年の都内の主要アリーナは、東京五輪の会場として長期間おさえられてしまうため、残る会場を各団体で取り合うことになりそうだ。井上裕太ゼネラルマネジャーは「ホーム戦の会場探しが(東京五輪を予定していた)20年と同じ状況になるなら大変だ」と語る。

 首都・東京でITを駆使しながら、チームの価値を示せるか。課題を抱えつつ準備が着々と進められている。

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