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» 2020年06月05日 07時00分 公開

「言葉の凶器でメッタ刺し」――ネットの誹謗中傷、経験者の憤り (1/4)

SNSでの誹謗中傷が社会問題となっている。過去にネット上のデマで殺人犯にされたスマイリーキクチさんや、住所をさらしあげられた川崎希さんは、「匿名の悪意」に強い懸念を示している。

[産経新聞]
産経新聞

 SNS上で誹謗(ひぼう)中傷を受けた女子プロレス選手、木村花さん(22)の急死が波紋を広げている。著名人にとってSNSは活動をアピールする重要なツールである一方、デマや中傷を招くもろ刃の刃となりえる。インターネット上で他人を匿名でおとしめる行為は長年問題視されてきたが、アプリの進歩などで大量の情報をより早く伝えられるようになった近年、深刻さは増している。同様の被害に遭った芸能人は「匿名の悪意」に強い懸念を示す。(村嶋和樹、松崎翼、吉沢智美)

photo お笑い芸人のスマイリーキクチさん

デマで「殺人犯」に

 「言葉の凶器でメッタ刺しにされる。言葉が心の中で増幅して全身を真っ黒に染める。僕の比じゃない」

 1999年ごろから《殺人事件に関与した》というデマをネット掲示板に書き込まれ続けた経験を持つお笑い芸人、スマイリーキクチさん(48)は、木村さんが陥ったであろう状況を、こう表現した。

 デマの“根拠”とされたのは、事件が起きたのが自身の出身地で、犯人らがキクチさんと同世代だという点だった。《事件を(お笑いの)ライブでネタにした》と別のデマも投稿され、所属事務所の公式サイトで否定しても《やってないことを証明しろ》と、書き込みは過熱していった。

 「どんな行動をしても、全部『クロ』に結び付けられた」。殺害予告や仕事先への嫌がらせに悩み、掲示板側へ書き込みの削除を要請したが「事実無根を証明しないと削除できない」。警視庁にも相談したが「身元の特定は難しい」と告げられた。

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