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» 2020年06月08日 07時00分 公開

一人歩きする“5Gカバー率9割” 基準変更で高カバー率でもつながりにくい可能性 (1/2)

携帯電話各社は本格サービスを始めた5G通信システムについて、「1、2年後にはカバー率9割を超える」と宣伝している。しかし基地局整備の基準が変更されたことで、カバー率が高くても一般ユーザーはつながりにくいという状況が発生する可能性もある。

[産経新聞]
産経新聞

 携帯電話各社が2020年3月から本格サービスを始めた第5世代(5G)移動通信システムの普及を巡り、携帯各社が宣伝する「1、2年後にはカバー率9割を超える」という数字が独り歩きしている。5Gの通信基地局設置における総務省の指標が4Gから変更されたことで、現状の4Gのように一般の人が生活の中で5G対応のスマートフォンを当たり前のように使えるとは限らないというのだ。

photo 5G基地局の設置工事(NTTドコモ提供)

 「数歩移動したこちらの方が電波が強いですよ」

 5Gの本格サービスが始まったばかりの3月末。都心のある携帯電話ショップの店員が、スマートフォン端末を試そうとした記者を案内してくれた。わずか数歩で通信速度が倍近く変わっていた。

 NTTドコモが5Gのサービス開始を発表したときも、利用エリアは「○○ビルの2階」といった表示だった。裏を返せば、別のフロアでは5Gの電波が届いていないということだ。

 消費者にとって、どこで5Gが利用できるのかは大きな関心事だ。ところが、基地局設置の進捗状況を示す総務省の指標が従来の4Gのものから変更され、これが利用者を迷わす要因となりそうなのだ。

 4Gまでは、対象地域の定住人口を元にした指標の一つ「人口カバー率」を採用してきた。一方、5Gでは、全国を一律に10キロ四方の4600の区画に区切り、電波法で定められた5G特定の周波数を使用する高度特定基地局などの設置で判定する「基盤整備率」という指標に変更された。

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