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» 2020年06月12日 07時00分 公開

“読書のバリアフリー化”に役立つ書籍データ、流出リスクやコストが活用の壁に (1/3)

日本で読書バリアフリー法が施行されてからまもなく1年。障害の有無にかかわらず本が読める環境作りに向け、書籍の電子データの活用が注目されている。一方、データ流出リスクやコストなど、乗り越えなければいけない課題は多いのが現状だ。

[産経新聞]
産経新聞

 障害の有無にかかわらず誰もが読書しやすい環境を整える「読書バリアフリー法」が施行されてから間もなく1年。視覚や身体など障害の種類に合わせ、電子書籍や点字書籍など多様な形式の本をそろえることが必要とされるなか、書籍の電子データの活用が注目されている。ただ、費用負担や不正流出の懸念など、乗り越えなければいけない課題は多い。(文化部 油原聡子)

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多様な形式を

 障害者の読書環境というと、これまでは視覚障害者に焦点が当てられてきた。読書バリアフリー法では、「障害の有無にかかわらず全ての国民が文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現に寄与する」と明記されている。

 筑波大学付属視覚特別支援学校教諭の宇野和博さんは「読書バリアフリー法によって、発達障害や身体障害などこれまで読書が難しかった人たちにも光が当てられた。障害の特性に合わせて多様なニーズがあることを知ってほしい」と話す。上肢障害や寝たきりの人はページをめくるのが難しいし、本を持てない人もいる。弱視や高齢者には拡大文字や見やすい字体の本も必要だ。

 電子書籍の普及も期待されているが、インプレス総合研究所の調査によると、市場の8割以上をコミックが占める。

 こういった現状を受け、注目されているのが書籍の電子データだ。特にテキストファイル形式のデータがあれば、障害者自身で点訳ソフトを使うこともできる。スマートフォンやPCを使って文字を拡大したり、音声読み上げ機能を使ったりすることも可能になるからだ。

 ただ、データ提供に対応している出版社は少ない。障害をサポートする本を多く手掛ける出版社「読書工房」(東京都豊島区)の成松一郎代表は「本にデータの引換券を付けている出版社もあるがごく一部。どの本がデータ提供に対応しているかの情報も不足している」と説明する。

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