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» 2020年06月18日 07時00分 公開

日本電産、テレワークで生産性3分の1に 環境整備の必要性訴え

日本電産の永守重信会長は、新型コロナウイルスの感染拡大後のテレワーク導入で仕事の生産性が3分の1に落ちたと明らかにした。住宅事情がテレワークに適していないことが理由として、企業側が必要な環境の整備に向けた支援を行うことが重要と訴えた。

[産経新聞]
産経新聞

 日本電産の永守重信会長は17日、京都市内で開いた定時株主総会後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大後、テレワーク(在宅勤務)を導入したが仕事の生産性が落ちた経験を踏まえ、「企業が(テレワークの)環境をサポートする必要がある」と訴えた。元日の朝しか休まない“モーレツ経営者”として知られた永守氏だが、会見では、新型コロナを機に、働き方の効率化の重要性が増していることを強調した。(山本考志)

photo 株主総会後、記者会見に出席した日本電産の永守重信会長(右)と関潤社長。感染予防のため、2人は記者席から距離をとって着席した=17日午前、京都市南区

 株主総会でも永守氏は株主に対し、「(新型コロナと共生する)ウィズコロナのための(働き方などの)システムを作らなければいけない」と訴えた。

 同社も新型コロナ禍の中でオフィス業務を中心にテレワークの導入を進めてきたが、会見で永守氏は「導入当初、(仕事の)生産性が3分の1まで落ちた」と評価。欧米などに比べて日本では住宅事情などがテレワークに適していないことが理由で、作業スペースの確保やオンライン・ツールの支給など環境整備が重要だと訴えた。

 一方、株主総会では、日産自動車の元ナンバー3で、4月1日付で日本電産の社長に就任した関潤氏の取締役選任議案も可決された。永守氏とともに会見に出席した関氏は、国内外34カ所の工場や研究施設を視察したと指摘。「今回のコロナ禍によってどれだけ余計な在庫を抱え、固定費が掛かっていたのかを見ることができた」とし、在庫管理の改革や固定削減を進める考えを示した。

 また、同社は関氏以外の日産の元上級幹部3人を6月1日付で執行役員として迎え入れた。関氏は「エージェントを通して必要な人材に広くあたる中、結果的にそうなった」とし、「みな志を持ってきてくれた。いちように『日本電産を成長させたい』と言っている」と述べた。

 この他、永守氏は株主総会で、自身が運営法人の理事長を務める京都先端科学大学で、夜間のビジネススクールを開校する考えも明かした。永守氏が「塾頭」を務めて社内外から受講生を受け入れ、MBA(経営学修士)の取得も支援する計画で、技術者出身の経営者育成を目指すという。

 日本電産は連結売上高を2030年度に10兆円にする目標を掲げており、19年度は前期比4.0%増の1兆5348億円と、過去最高を更新した。

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